「4歳からドリフト英才教育を受けた天才が覚醒!?」中学生がフォーミュラDジャパンで優勝!

13歳のプロドリフターが大躍進!

魔改造GRヤリスでシリーズチャンピオンを目指す!!

三重県の鈴鹿ツインサーキットにて開催された“フォーミュラDジャパン開幕戦”で、現役中学生の箕輪大也くんが初参戦ながら追走トーナメントを勝ち上がり、表彰台の頂点に輝くという快挙を成し遂げた。

その走りは圧巻の一言で、まだあどけなさが残る顔からは想像も付かないアグレッシブな走りで審査員を魅了。40名以上の猛者たちが集う大舞台で、臆することなく積極果敢に攻め続けたのである。

箕輪大也くんは現在13歳(8月15日が誕生日)。ドリフトに興味を持ったのは4歳の頃で、当時の遊び道具は三輪車…ではなく、ドリフト用カートだったそうな。何とも恐ろしい話だが、大也くんの両親が“フォーミュラDジャパン”で活躍する箕輪慎治選手&昌世選手と聞いて納得。ドリフト界の超エリート一家で育ったのである。

とはいえ、本格的にMT車でドリフトに取り組みだしたのは、小学5年生から。つまり、わずか2年足らずでトップレベルの走りができるまでに成長したというわけだ。

エントリー車両は、クスコが製作したドリフトスペックのGRヤリスだ。ドライブトレインは全てリメイクされており、3.4Lの2JZエンジン→サデフのシーケンシャルミッション→ワンオフのプロペラシャフト→クイックチェンジデフ→GT-Rドライブシャフトへと繋がるFR駆動レイアウトに大改造されている。

エンジンは、HKSの3.4Lキャパシティアップグレードキットで排気量を拡大した2JZをスワップ。組み合わせるタービンはGCGのビッグシングルで、最高出力は900psに達するスペックだ。スロットルは電子制御式に置き換えられ、LINKフルコンでアンチラグ機能を実装している点も注目したい。

重量配分を考慮し、ラジエターはリヤに設置。リヤクォーターガラス部に設けられた左右のインレットダクトからフレッシュエアを取り込み、コア背面の電動ファン(引き抜き用)でフロア下へと強制排出する仕組みだ。

室内は完全なレーシング仕様となり、ロールケージはフル溶接留めのスペシャル。レイアウトを含め、全日本ラリーを始めとするレースシーンで活躍するクスコらしい仕上がりだ。リヤシート部分は隔壁で覆い尽くし、そこに燃料タンク(安全タンク)を設置している。

足回りに関しては、キャロッセのオリジナルブランドであるクスコ製の車高調を軸にセットアップ。アップライトはアルミビレット削り出し、各アームも調整式のスペシャルを投入する。なお、サスメンバーはフォーミュラDジャパンのレギュレーションに準じて純正ベースとしている。ステアリングラックはトヨタのJZX100系を流用。

デフには短時間でファイナルギヤの変更が可能なクイックチェンジが搭載され、内部LSDはクスコのオリジナルを組み込んでいる。ドライブシャフトはGT-R純正だ。デフケースの前方に確認できる赤いボックスはATLの安全タンク。

ホイールはエンケイのPF09、タイヤにはヨコハマ最強のスポーツラジアルとして君臨するアドバンネオバAD09(F235/40R18 R275/40R19)を組み合わせる。

レース本番ではそれなりに緊張していたそうだが、予選2本目で89ポイントという高得点を叩き出して2位通過を果たす。追走トーナメントに入っても勢いは衰えず、ベテラン勢を次々と撃破しながら決勝に進出。最終的には高橋和巳選手のマシントラブルに助けられた形になったものの、終始、攻めた走りで開幕戦を制したのだ。

「多くの皆さんに協力して頂いて、万全の体制で優勝することができたことに心から感謝しています!」と、優勝スピーチで堂々と語った大也くん。

次戦は5月20日〜21日にエビスサーキット西コースで開催される第2戦だ。13歳の若きプロドリフターがどこまで躍進できるのか、大いに注目したいところだ。

PHOTO:金子信敏

「小学生が猛者揃いのドリフト大会で表彰台に!」ドリフト開始は4歳、シーケンシャルミッションも使いこなす新世代ドリフターの素顔

【関連リンク】
フォーミュラDジャパン
https://formulad.jp/

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