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トルク感アップのチューニングがポイント!
ワインディングを小気味よく楽しめるファインチューン仕様
静岡県の“オートファクトリー”が製作したZN6型86。FUJI 86BRZチャレンジカップ参戦用として育て上げられたマシンでありながら、毎日の通勤にも使用されているユーザーカーだ。そのためサーキットでの速さだけでなく、ストリートでの使い勝手も考慮したマシンメイクが施されている。
赤いインマニが特徴的な後期FA20エンジンは、レースのレギュレーションに合わせたファインチューン仕様となる。エンジン本体はノーマルで、オイルキャッチタンクを装備。パワー&トルク向上に有効なのが高効率なオリジナルEXマニ。レイアウトは4-2-1でパイプ径は42.7φだ。ECUとの組み合わせでエンジン回転に比例して盛り上がるナチュラルなトルク特性を実現。
FA20は油温が上がりやすい傾向があるため、スポーツ走行をするなら対策が必要。スーパー耐久車両に装着して効果を実証したオリジナルのオイルクーラーキットは、水平マウントでラジエターの冷却を妨げない構造となっている。
エンジンのポテンシャルを活かしきるべく装着されているのは、オートファクトリーオリジナルの5.1ファイナルキット。トルクアップとギヤ比の最適化によって、低中速レンジのコースでも3〜5速でパワーバンドを外さずに走ることができる。6速4000rpmで約120キロと、通常走行も差し支えないレベルだ。
サスペンションは、高性能で知られるPCR製のフルオーダー仕様(F6kg/mm R10kg/mm)を装備。ストリートでも気持ち良く走れるようリバウンドストローク重視のセッティングとし、フロントに装着されたヘルパースプリングはこの点に有効に働いている。
また、ミッションやメンバー類はゴムブッシュを活かしながらカラーを追加装着することで、快適性とシャープな挙動を両立している。
ボルクレーシングTE37にセットされる前後265/35R18サイズのクムホV700は、レースでもそのまま使っている組み合わせ。TRDのフロント6ポット/リヤ4ポットキャリパーは、ややオーバースペック気味とか。
この車両はレースにも参加するだけでなくストリートも走るため、乗降性を考慮してロールケージはサイドバーなし、ダッシュ貫通式の6点式が装着されている。シートはレカロのフルバケを奢る。
パワーチューニングは控えめながらも、フットワークやレスポンスの改善といったチューニングで純正とは比較にならないほどの走りを実現するZN6。高いボディ剛性を始めとした、高いシャシー性能を持った86の素性の良さを活かしたモディファイと言えるだろう。
●取材協力:オートファクトリー 静岡県御殿場市萩原1440-1 TEL:0550-84-3035
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オートファクトリー
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