「かつて九州エリアで猛威をふるった激速ランエボVIII MR!」500馬力を使い切るセットアップの妙

強豪揃いのオートポリスでも圧倒的な速さ!

レーシングスペックのボディに500馬力の強心臓を搭載

このランエボVIII MRは、オートポリスで1分56秒828という強烈なタイムを保持する“ラルテフィッチ”製作のチューンド。タイムアタックだけでなく、周回レースでも圧倒的な速さを見せつける有名マシンだ。

ソリッドピボット化など耐久性にも考慮して組み上げられた4G63改2.2Lの500ps仕様。腰下はJUNオートのストローカーキットをインストールし、ヘッド周りも燃焼室加工やポート研磨などくまなく手が入る。エンジンマネージメントはパワーFCだ。

タービンはF1タービンの名で親しまれているIHIのRX6(TCW76P25)で、アルトラックにオーダーしたというワンオフEXマニを介して装着。ウエストゲートはHKSのレーシングタイプだ。特性は4500rpm以降でパワーが立ち上がる中高回転重視のメイキングとなる。

インテーク周りも、JUNの大容量サージタンクや80φパルサースロットルの導入によってスムーズな吸気環境を構築。エアフロは純正を撤去したDジェトロ仕様だ。

バンパー開口部にピッタリ合うようセットされたインタークーラーはワンオフ品。連続周回に備え、オイルクーラーやラジエターも大容量タイプへとそれぞれ変更されている。

足回りは各部に調整式アームを投入し、ピロ化とジオメトリーの適正化によってサスペンションの性能を引き上げる。車高調はジールファンクション(F20kg/mm R18kg/mm)、サイバーエボのACD-ECUも組まれている。

前後ブレーキキャリパーは10周以上のレースでも音を上げないよう、アルコンのモノブロックキャリパー(F6ポット R4ポット)を導入。ブレーキを引きずりながらのコーナリング進入時などでも細かい調整がしやすく、ストッピングパワーのみならずコントロール性能も大幅に向上したという。無骨なワイドフェンダーはボルテックス製だ。

シングルシート仕様でスパルタンにまとめ上げられた室内。エアコン等の快適装備は全撤去。ミッションは純正5速のままだが、ギヤにWPC処理を施して強度を引き上げている。

前後ストラットタワーまで延長して溶接留めされたロールケージは、フルスポット溶接増しとの相乗効果でレーシングカー並みの剛強ボディを実現している。

ドアパネルは軽量なFRP製に変更されているが、内側には純正のアルミ製サイドビームを這わせて乗員保護。この他、各部に軽量パーツを投入することで、車重は約1300キロにまで抑え込まれている。

見た目の美しさと走りの質を両立させた、作り手の拘りを感じるチューンドだ。(OPTION2誌2013年10月号より抜粋)

●取材協力:ラルテフィッチェ 福岡県大野城市仲畑1-26-27 TEL:092-915-4717

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