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心臓部は弾けるように9000rpmまで吹け上がるB18C改
軽さを武器に戦うサンデーレース仕様
初代インテグラタイプRのデビューは1995年。すでに旧車の域に達しているが、このサンデーレース仕様はその時代感を全く感じさせない。カラーリングまで含めた作り込みは、まさに現行チューンドと呼ぶに相応しい。細部を見ていく。
心臓部のB18Cは腰下パーツやカムは基本的にノーマルだが、ポート加工や燃焼室の容積合わせ、バルブシートカット、フルバランス取りなど手間のかかる作業を敢行。戸田レーシングのバルブスプリングやEK4/EG6純正インテークバルブなどを組み込み、9000rpm常用でも壊れない環境を整えている。
吸気系にはファンネル剥き出しの4連スロットルを投入。ECUチューンと組み合わせて、鋭いレスポンスを生み出している。
オリジナルのEXマニはトルクを重視した4-2-1レイアウトを採用するが、パイプ径を45-50-60φとやや太めに設定。トルクの厚みと抜けの良さの両立を狙っている。
サーキットで安定したラップを重ねるには、冷却対策は絶対に欠かせない。このDC2でもラジエターを大容量のオリジナルアルミ3層へと変更。ボンネットもフロント重量の軽減を兼ねて、大きな開口部のあるFRP製のオリジナルに交換済みだ。
ちなみに、ボンネット後方に追加されたダクトは、かつて装着されていた4連スロットルへと走行風を導くための装備だ。
開口部やパネルの継ぎ目を中心にスポット溶接を打ちまくり、高強度&高剛性を確保。マウント類はリジッドだ。その一方でタイヤはストリートラジアル前提のため、ロールケージはパイプ本数を最小限に抑えて重量増加を抑える。
左右の重量バランスを適正化するため、ノーマルの燃料タンクを撤去し、75.6Lの安全タンクを助手席スペースに設置。大きく変更された重量バランスに合わせて、車高調はRS-Rのスポーツiをベースに減衰力を適正化している。
独創的なアイローネタイプのリヤゲートはZ-SPEC製。FRPとカーボンが用意され、専用の軽量アクリルウインドウも付属するモデルとなる。重量は8kgほどしかなく、純正ゲート+リヤガラスに対して、20kg以上もの軽量化が可能だ。なお、車重は960キロまで絞り込まれている。
軽量化のためにフロント以外のウインドウはアクリル製に置き換えているが、助手席側には開口部を確保。ドライバーに走行風がダイレクトに届くようにダクトホースを設置する。
エクステリアは、空力重視でセットアップ。フロントにはウイング形状を取り入れたリップやカナード、リヤにはオリジナルのディフューザーが装着されている。
重量を大幅に削減するため、マフラーはワンオフのチタン製を導入。リヤバンパーに確認できる、パラシュート効果の低減を狙ったベンチレーションがやる気を感じさせてくれる。
900キロ台の軽量ボディと9000rpmまで弾けるように吹け上がるVTECのコンビは強烈で、セントラルサーキットではターボ勢を撃墜できるほど。何とも刺激的なチューンドだ。
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