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FA20改HKS2.1Lキャパシティアップグレードキットの可能性
ポテンシャルをフルに引き出す熟練の技術力
2012年のデビューから10年以上が経過し、中古車市場においても100万円を切る個体を見かけることも珍しくなくなったZN6型86/ZC6型BRZ。これに加え、アフターメーカーからのチューニングアイテムも豊富に出揃い、ベース車としての魅力がより一層高まりつつある。
そんな中、“HKS九州サービス”が推し進めているのが、オーバーホールを兼ねたHKSのキャパシティアップグレードキット(41万8000円)による2.1L化だ。
早速、HKSのキャパシティアップグレードキットを見ていく。ボアは86mmのまま、ストロークを90mmに拡大。ピストンは鍛造で、トップ部分は直噴の燃焼効率を最大限に活かす3D形状が採用されている。コンロッドはI断面形状のカチ割りタイプだ。
純正クランクシャフト(上)との比較。遠目では違いはほとんど判別できないが、HKS製は専用のジャーナルサイズやウエイト形状の変更、肉抜きなどの処理が施されている。
純正ピストン(右)との比較。HKS製は同社のVカムシャフトの使用を前提としたリセス形状となっている。ちなみにHKSの2.1Lキットには標準仕様とローコンプ仕様の2種類が設定されており、ターボ化を行う取材車両は後者を選択している。
「このクルマの走行距離は6万キロ台。オーバーホールを行うにはまだ早いという声もありますが、ピストンやクランクシャフトなどを一新するに辺り、全てを同時に“初期化”したいというオーナーの考え方はアリだと思います。性能面のブラッシュアップ効果がより鮮明に感じられるだけでなく、ウォーターポンプを始め、先々整備が生じる部分に事前に対策を施すことで、より長く快適に乗り続けることができますからね」と語るのは、同社代表の竜円さん。
取材時はエンジンがバラバラに分解された状態で、各部の磨耗状態の確認や洗浄を行う直前だった。早期のオーバーホール+排気量アップというだけでもオーナーのやる気とこのクルマへの愛着が伝わってくるが、驚くべきことに、この車両にはすでにHKSのGT2スーパーチャージャーキットが装着されていたが、今回のモディファイに併せてターボへの仕様変更が行われるというのだ。タービンはもちろんHKSのGTIII-RSで、ファーストステップとして約400psのMAXパワーを想定している。
もちろん、HKS九州サービスが得意とするメニューは今回のようにエンジンの脱着を伴うようなハード路線だけではない。
吸排気パーツの交換やフラッシュエディターによるレスポンスの向上&リミッター解除といった、ノーマル+αのコストパフォーマンスに優れたセットアップについても幅広く対応しているので、「愛車にひと味加えたい」とお考えの86/BRZオーナーはぜひお気軽にお問い合わせを。きっと毎日の運転がより楽しくなるような、ベストな答えが見つかるはずだ。
●取材協力:HKS九州サービス 福岡県北九州市小倉南区蜷田若園3-12-15 TEL:093-931-6910
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HKS九州サービス
http://www.hks-kyusyu.co.jp