「走行10万キロのランエボXで目指す等身大オールラウンダー!」SSTの利点を活かした快速ブーストアップ仕様

TC-SST車両をベースに育て上げたブーストアップ仕様!

使い勝手の良さはそのままに走りの魅力を大幅アップ

潜在能力が高い4B11エンジンと2ペダル式MT“TC-SST”のコンビネーションで、スポーツ走行を手軽に楽しめるパッケージとして仕上げられたランエボX。そんな逸材のバランスを崩すことなく、走りの魅力を底上げする快適オールラウンダー化に取り組んだのが、老舗チューニングショップ“ウイングタケオ”だ。

ここで注目すべきは、パワーの追求よりも、不安要素の排除にウエイトを置いたチューニングアプローチだろう。

まずは、9万キロ走行でクラッチトラブルを抱えていたベース車のコンディションアップに取り組み、ブーストアップでも不安が生じるTC-SSTは、価格的に手頃なドッドソン強化クラッチでリカバリー。ECU-TEKによるセッティング、SSTクーラーと合わせて、スポーツ走行でも音を上げないミッションを構築している。

一方のエンジンは、タイム狙いなら排気量アップやタービン交換といったメニューも視野に入るが、この車両はステージ問わずの扱いやすさと速さの共存がコンセプト。そのため、低中速トルクが頼もしいブーストアップ仕様を選択した。とはいえ、不安要素を抱えていては走りが楽しめないため、4B11の泣き所となるコンロッドは強化済みだ。

さらに、ノーマルタービンの高回転領域を強化すべく、東名パワードのポンカムタイプR(IN260度 EX250度)をセット。なお、後方排気レイアウトで熱不安の増したエンジンルームは、ボンネットヒンジにスペーサーを加えて対策している。

ストリートでの使い勝手や耐久性を考慮し、立ち上がり重視の1.6キロでブーストセッティング。なお、カムやタービンの性格を踏まえて7200rpmシフトとしているが、レブリミットはパドル操作のラグに配慮して8000rpmへ引き上げている。最高出力は350ps、40kgmだ。

足回りは、ハンドリングの頼もしさだけでなく、乗り心地も重視したウイングタケオのオリジナル車高調を装備。スプリングはハイパコのF14kg/mm R16kg/mmだ。

エクステリアまで含めて控えめなチューンドであるが、鈴鹿サーキットでの走行では2分27秒727の好タイムをマーク! アタックを担当した佐藤公哉選手も「アクセルワークに呼応するようなピックアップ良さと低中速トルクの頼もしさで、ひとつ上のギヤでも力強く走らせられる完成度の高いブーストアップ仕様。高回転にかけての伸びも痛快。乗り心地を重視したという足も、安定感があってすごく乗りやすかったです」と絶賛。

街乗りからサーキットまでステージを問わない速さを引き出したいオーナーにとって、必要最小限のメニューで死角を排除したウイングタケオのランエボXは見逃せないスペックだろう。

SPECIFICATIONS
■エンジン:東名パワード コンロッド、ヘッドガスケット、ポンカムタイプR(IN260度 EX250度)/HKS EVC6/ウイングタケオ フルチタンマフラー、ECUTEC ■ドライブトレイン:ドッドソン 強化クラッチ/HKS SSTクーラー ■サスペンション:ウイングタケオ オリジナル車高調キット(ハイパコF14kg/mm R16kg/mm) ■ブレーキ:ディクセル ローター/エンドレス パッド ■ホイール:エンケイ NT03RR(FR9.5J×18+27) ■タイヤ:アドバンA052(FR265/35R18) ■インテリア:レカロ RS-G、RH9 レーシングハーネス

●取材協力:ウイングタケオ 三重県三重郡川越町高松86-1 TEL:059-363-2104

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【関連リンク】
ウイングタケオ
https://www.wing-takeo.com/

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