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プロジェクトは確実に前進している!
1800馬力を4WDで受け止める最強ロータリー
SEMAショー2016で話題をさらった4WD+4ローター仕様のFD3Sが、大幅に進化を遂げてSEVEN STOCK2022に登場した。このマシン、元々はYouTubeでの企画用に製作された仰天チューンドなのだが、製作者のロブ・ダームは「ボンネビルでレーシングビートの記録(242マイル)を超えたい。記録を出したいんだよ」と熱く語る。
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“ロブの夢はいつか実現するかもしれない”。そう思わせてくれるほどこのマシンは刺激的だ。キャビン以外は完全なチューブフレーム仕様だが、これらはノリで製作したのではなく、ドライブトレインやサスペンションシステムまで含めて“ハイエンドCAD”で設計している。自動車メーカーの開発さながらのシステムでメイキングは進められたのだ。
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見どころは多いが、ハイライトはやはり4WD化だろう。フロントのエンジン脇にBMW M3(E36)のデフを搭載し、ホリンジャーRD6シーケンシャルミッションに組まれたGT-R用トランスファーと2分割式のワンオフドライブシャフトで連結。しかも単なる直結ではなく、トラクション制御やトルク配分などを独立したECUによってコントロールする電子制御式なのである。
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エンジンは、Billet Rotary Storeの26Bキットを使った4ローターユニットをフロントミッドに搭載。オイル供給はドライサンプ式だ。エンジンマネージントはアダプトロニックM6000で、燃調や点火時期のみならず電子制御スロットルまで綿密に制御する。
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タービンはギャレットの第二世代型で最大2500馬力を許容するサイズをオーバーヘッドマウント。まだセッティングは行われていないが、ロブはレースガス使用で1800馬力オーバーを狙っている。
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エキゾースト環境は芸術的だ。マフラーは効率最優先のサイド出しで、EXマニは4WD用のドライブシャフトを避けるように複雑なレイアウトで構築。マフラー横のパイプはウエストゲートの大気解放口だ。
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サスペンションも凄まじい。FD3Sのダブルウィッシュボーンの姿は無く、代わりに調整可能なコイルオーバーを備えたF1スタイルのプッシュロッド式サスペンションシステムを与えているのだ。走行性能を追求しつつ、極限のローフォルムを実現するために開発したという。なお、リヤデフはD1グランプリ車両などにも採用されているクイックチェンジを使う。
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ホイールはVOSSEN FORGEDのLC-101(10.5J-19)で、タイヤはミシュランパイロットポーツ4S(295/30-19)をインストール。ブレーキはウィルウッドの6ポットキャリパー+14インチローターの組み合わせだ。ちなみにハブナックルはコルベットZR1を流用している。
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室内も凄まじい。ペダル類はウィルウッドのレーシングタイプで、メインメーターにはAEMのデジタルディスプレイを採用。サイドブレーキは油圧式だ。助手席にはエンジンマネージメント用のアダプトロニックM6000が設置されていた。
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マツダを愛し、10代の頃から大切に所有していたモンテゴブルーのFD3Sをドナーに魔改造を続けるロブ。SEMA直前にエンジン始動&4WDの動作確認まで終えたそうだが、現状を見るかぎり完成はまだとうぶん先になるだろう。それでも期待せずにはいられない。甲高い4ローターの音色を響かせながら、ソルトフラッツを駆け抜けるドリームFD3Sの姿を。