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FR最速を目指したタイプMの戦い
RB25改2.8Lフルチューンに2.5キロのブーストかける!
今回紹介するのは、ストックボディのゼロヨンマシンとして国内最上位に位置する存在。関西地区屈指のパワーチューナー“ガレージ伊藤”が手掛けたECR33型スカイラインだ。
その実力は凄まじく、仙台ハイランドでは9秒155を記録し、トラクションのかかりにくいセントラルサーキットでも9秒585をマークしたほどなのである。
エンジンはRB26DETTではなく、あえてRB25DETをベースにチューニング。腰下にHKSの2.8LキットSTEP3を投入し、ヘッドもガレージ伊藤の手によりフル加工が施される。カムは東名パワードのハイリフト(270度/10.5mmリフト)を投入する。
組み合わせるタービンはT88-38GK。このビッグシングルに2.5キロというハイブーストをかけてダイノジェットで925ps/97kgm(レースガス使用時)をマーク。なお、タービンは後にEFRへと変更されている。
吸気系には、オーストラリアのハイパーチューン社製スロットルとサージタンクを使用。サージタンクはインジェクターを各ポートに上下から2本セットできるものだ。ちなみに容量は上側が1000cc、下側が850ccとなる。
エンジンマネージメントには、モーテックの上位モデルM800を使用。インジェクターのマルチドライブや、ブースト圧の車速/ギヤ対応コントロールなど、タイムを出すための特殊な制御の数々が組み込まれている。
エキゾーストは、中間トルクとサウンド面が優れていてインパクトも抜群のサイド出しを装備。構造はもちろんフルストレートだ。
フロントサスペンションは軽量化のために形式をマルチリンクからストラットへと変更。直進性向上を目指し、ピロアッパーは調整機構を前後方向に組んでキャスター角を目一杯寝かしている。
ブレーキも低グレードの片持ちキャリパーに交換して軽量化を徹底。
駆動輪のタイヤはフージャーのストリート規格(DOT)のドラッグラジアルで、315/60R15という特殊サイズ。トラクションを稼ぐためにクァンタムのドラッグダンパーは高めにセットし、 無骨なオーバーフェンダーを使って極太タイヤを収めている。
室内はドラッグ仕様ならではの仕上がり。メーターはデフィのスーパースポーツクラスターで集中管理し、ワンオフのカーボンダッシュボード上にシフトランプを設置。ジャングルジムのように組み込まれたロールケージは、もちろんフル溶接留めだ。
駆動系は、ホリンジャー6速シーケンシャルミッション→カーボンプロペラシャフト→OS技研スーパーロックLSDという構成。ファイナルギヤは4.6の設定だ。
エクステリアには、整流効果が高いドラッグウイングと減速をアシストするドラッグシュート(パラシュート)をセット。どちらもハイクラスなドラッガーには欠かせない装備だ。
タイムだけを考えるならば、4WD+RB26DETTというパッケージのGT-Rに分がある事は明白。それでも、エンジンまで含めてタイプMに拘って走り続けるオーナーと、その思いを汲み取ってカタチにするガレージ伊藤の技術力には感服するばかりだ。(OPTION2 2013年8月号より)
●取材協力:ガレージ伊藤 大阪府茨木市島3-3-20 TEL:072-637-8511
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