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900馬力のフルチューン2JZをエアシフターで回す!
2JZを換装して構造変更を受けた合法ストリート仕様
愛知県に店舗を構える“C&Yスポーツ”と言えば、強烈なエンジンスワップチューンを得意とする異色のチューニングショップだ。
今回ピックアップするのは、そんな同社がかつてデモカーとして製作したS15シルビア。NA・AT・不人気色という格安ベース車に、ゼロヨンイベントでクラッシュしてしまった旧デモカー(AE85に2JZを換装したドラッグスペシャル)のパワートレインを移植した魔改造チューンドだ。
心臓部の2JZ-GTEは腰下を強化した上で排気量を3.1Lまで拡大。ヘッドも、HKSのハイカムやRB26用強化バルブスプリングの流用などくまなく手が入る。組み合わせるタービンは、国内最大級の風量を誇るトラストT88-38GK。最大ブースト圧2.2キロをかけて900psを絞り出している。
ミッションはホリンジャーの6速シーケンシャルで、工業用の窒素ガスとエアシリンダーを組み合わせたオリジナルのエアシフターをドッキング。このシステムの採用で、シフトミスが無くなり一気にタイムアップしたそうだ。
エクステリアは、極太のドラッグタイヤ(現在装着しているETドラッグの幅は11.5インチ)を履くために、大胆にワイドボディ化を敢行した。
特徴的なリヤウイングはオリジナル。アメリカのインポートドラッグシリーズで戦う本場のマシンを参考に製作した。アメリカのドラッグレースは、プロフェッショナルなエンジニア達が腕を競い合っているだけあって、参考になる部分が多いとのこと。
そしてタイヤには、アメリカ製のストリートドラッグタイヤ、ミッキートンプソン社のETドラッグを装備。ドラッグスリックをストリート用にリメイクした製品で、バイアス構造となっている。DOTというストリートタイヤ規格をクリアしているので、日本のストリートも走行OKだ。
一方のインテリアは、ストリートマシンを前提にしているため一般的なストリート仕様そのもの。リヤシートを取り除いたこと以外、これといって軽量化も行っていない。これは、エンドユーザーにテスト結果をフィードバックするためで、現状ではボディ補強もしていない。
シェイクダウンでのタイムは10秒2。条件次第では9秒台に突入することも難しくないだろう。そこまでの速さを手にしながら、このシルビアは構造変更検査を受けた完全合法スペックだったりする。
「1000馬力だろうが、エンジンスワップだろうが、チューンニングカーはストリートを堂々と走れなければ意味がない」。そんなC&Yスポーツのチューニングコンセプトが、デモカーでも体現されているわけだ。
参考までに、C&Yでシルビアに2JZを搭載する場合、ベース車両持ち込み(エンジンパーツはC&Yが用意)で公認車検取得まで含めて予算は約300万円(ベースエンジンの価格によって変動する)となる。決して手軽なメニューではないが、得られるパフォーマンスからすれば一概に高いとは言い切れないだろう。
●取材協力:C&Yスポーツ 愛知県愛知郡東郷町大字春木太子32 TEL:0561-38-8325
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