「オクヤマ流ND型ロードスター剛性アップ術」補強箇所から順番まで全解説!

ボディ剛性アップは装着するパーツの順番も考えるべし!

ボルトオン補強パーツで走りの一体感を引き上げる

絶対的な速さではなく、気持ちの良い走りを追及したND型ロードスター。ルーフを開けて走る爽快感は、一度味わったら病みつきになってしまうほどだ。

しかし、オープンゆえの弱点もある。それはボディ剛性だ。ルーフがないため大きな開口部となるキャビン周辺に、路面からの入力のしわ寄せが集中しがち。マツダもそんなことは分かっていて、フロア面に補強を入れたり、ドアを構造体として取り入れるなどの対策は施している。

「歴代ロードスターと比べるとND型は着実に進化していて、ボディ強度はかなり向上しています。街中で走るには十分とも言えるでしょう。ただ、峠やサーキットを攻めるとなると話は別。ハイグリップタイヤを履いてハイレートなバネを組み込むと、ボディが耐えられなくなってくるんです」。そう語るのは、ボディ補強パーツのスペシャリスト“オクヤマ”の奥山さんだ。

同社は、富士スピードウェイで行われたNDロードスターカップのオープンクラスに参戦し、2016年のシリーズチャンプに輝いている。創業40年以上という古い歴史を持つオクヤマの技術力は、そうしたレースシーンで鍛え上げられてきたのである。

スポーツ指向のND5RCオーナーに向けて様々なボルトオン剛性アップパーツを用意しているオクヤマだが、気になるのは『どんな順番で装着すると効果的なのか?』だ。

「まずはタイヤから一番近いストラット周辺の補強がお勧めです。左右のストラットタワーをバーで結合し、ボディが上下方向に逃げないようにしてやります。すると、路面からの入力がボディに逃げずに、ダイレクトにサスペンションに伝わるようになる。不快な突き上げ感も抑制されて、ハンドリングの向上にも繋がりますよ」とのこと。

具体的な製品を挙げるなら、ストラットタワーバー(チタン:17万8200円/アルミ:7万1500)が当てはまる。ストラットタワーとバルクヘッドを強固に結合するタイプで、コーナリング時のボディの捩れを抑え込み、鋭いハンドリングや安定したブレーキングを実現する。

もちろん、リヤ用のタワーバー(リヤ タイプDアルミ:5万2250円)も用意されている。左右のリヤサスペンションの取り付け部をバーで繋げることで、コーナリング時のねじれを解消し、トラクション性能を引き上げることが可能だ。雨天時には外すなど、セッティング要素のひとつにもなる。デモカーはドンガラ状態となっているが、内張りの一部を加工すれば、純正然とした装着もできる。

ボディ上面を補強したら、次は下回りの強化にも着手したい。オーナーなら気付いていると思うが、ロードスターはマンホールなどに乗り越えた際などに微震動が出がち。これは、フレームとメンバーの結合部の強度が不足しているからに他ならない。路面からの入力に対し、メンバーの付け根やメンバーそのものが動いてしまうのが原因だ。

それに対応する製品は、フレームブレース・フロント(5万3130円)とフロアサブフレーム(9万2400円)。フロアトンネルに橋をかけるように補強することで、車体中心部のボディのねじれを予防する両アイテム。フロアサブフレームは中央部のバーまで付属するセット(11万880円)も用意する。もちろんボルトオンだ。

さらにサーキット走行を楽しむなら、安全性を確保するためにもロールバーを組み込みたい。コースによっては走行会レベルでも装着が義務づけられているからだ。オクヤマでは手軽な4点式(10万4390円)はもちろん、本格的な6点式(15万4440円)〜8点式(19万190円)もスタンバイ。

ちなみにデモカーにも装着される8点式のダッシュボード逃げタイプなら、キャビンを取り囲むような形状となっているため、万が一のクラッシュ時にも安心だ。もちろん、幌の開閉もノーマルと同じように行なえる。

この他、オクヤマではサーキット派のユーザーに向けてFIA公認のフリップアップ式トーイングフック(2万8380円)や、表面にローレット加工を施して滑りにくくしたハイグリップシフトノブ(9900円)なども製作。

豊富なノウハウと高い技術力で、NDロードスターの走りの質を高めるためのパーツ開発を続けるオクヤマ。オーナーにとっては心強い存在と言えるだろう。

●取材協力:オクヤマ 神奈川県横浜市都筑区池辺町4539 TEL:045-934-5334

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