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アンチ定番を目指したチューンドランエボ(CT9A)
この見た目でもサーキットを走る!
紅紫のボディカラーとメッキのファイヤーパターンバイナルに加えて、ストロボやネオン管まで装着したCT9A。スタイリングはスポコンテイストを全面に押し出すドレスアップ仕様だが、そのイメージとは裏腹にサーキットでの走りも睨んでチューニングされている異色の1台だ。
「こんなクルマでもサーキットを走れるんだぜっていうのをアピールしたくて、走りのチューニングをしつつ、あえてそれとは真逆を行くスポコンテイストのオールペンやオーディオなど自分のやりたいことをやっています」とオーナー。
そのマシンメイクで目を引くのが、10.5JのワークエモーションCR極を装着するために工夫されたオーバーフェンダーだろう。
当時、ラインナップ最大幅だった10.5J+22というホイールサイズはCT9Aにとってかなり大きく、タイヤハウスの広いフロントならギリギリ装着できるが、リヤは完全に内側がヒットしてしまう。そのため、純正リヤフェンダーを大胆にカットして40mmのオーバーフェンダーを装備。さらに、25mmのワイドトレッドスペーサーを噛ませることでツライチを実現している。
また、バリスやイングスからセレクトしたエアロをそのままではなく、加工装着していることもこのCT9Aの見どころ。例えば、フロントバンパー開口部をより大きくしたり、イングス製リヤバンパーとバリス製リヤフェンダーを一体化して成形し直したり…といったカスタマイズを施す。これはオーナーの「定番アイテムをそのまま装着したくない」という拘りの表れだ。
そしてオーナーが「メタリックマゼンタ」と呼ぶボディカラーは、パープルに少しずつピンクを混ぜるなどして色調を調整し、30回以上に渡る調合を経て辿り着いた完全スペシャルだ。細部の加工によって迫力を増したエアロと併せて、唯一無二の存在感を発揮している。
無論、サーキットを走れるだけのポテンシャルアップも忘れない。エンジンは腰下のバランス取りを行ったランエボVIIIベースの4G63に換装し、タービンもランエボIX純正にスイッチ。そして、吸排気系から燃料系まで見直すことで約450psを発生させている。
「クリアランスがギリギリのエアロだけでも大変なのに、60kgのトランクオーディオも積んでいるので、正直走りに関してはかなりハンデがあります。だからこそ、これで内装ドンガラのサーキット仕様についていけたら面白いんじゃないかなぁ…なんて思ってるんですけどね」。
なお、現仕様はエクステリア、エンジンチューンともに発展途上にある。そして「最終目標は、OPTION誌の表紙を飾ること」と語るオーナーの表情は、自信に満ち溢れていた。(OPTION誌2015年11月号より抜粋)