目次
SUGO1分40秒台、筑波1分6秒台を生み出す足回りチューンの極意!
街乗りからサーキットまで対応する懐の深さをND5RCに与える
ロードスターに精通するショップとして知られる、埼玉県春日部市の“アクティブ”。根っからの走り好きである代表の市村さんは、長きに渡ってその楽しさをブラッシュアップするためのチューンに取り組んできた。
ND型についてもノーマルの良さを尊重し、その素性を引き上げていくスタンスに変わりはない。フットワーク系を中心にツボを押さえたチューンを施すことで、痛快なハンドリングマシンへと昇華させている。
マシンメイクの要となるのは、何度も仕様変更を繰り返したというオリジナル車高調「モナコスペシャル」だ。スピリットベースのダンパーに、HALの低反発スプリングを組み合わせる。こちらは突き上げ感をいなし、よりコントローラブルな走りを味わえる、まさに通好みの逸品となっている。
「バンプ(縮み側)を緩く、しっかり伸ばす方向でセッティングしています。ガス圧も低め。ロールを抑えつつ、路面追従性を高めるような味付けですね。スプリングレートはフロント6kg/mm、リヤ4kg/mmを採用。足が柔らかいのでクスコのリヤスタビライザーを追加しました」とアクティブ代表の市村さん。
このサスペンションの良さを引き出すための土台造りも抜かりなく、メンバー周りにはスプーンのリジカラを組み込んだ上で、フルピロ化に着手。フロントにはニーレックスのナックルサポートも追加して、足回りをスムーズに動かすための環境を整える。
また、トラクションの確保に欠かせない機械式LSDは、クスコのMZ-F 2WAYタイプを選択。アクセルワークでクルマの挙動を積極的にコントロールでき、クルマを振り回して遊べる。そんなマシンに仕立て上げているのだ。
エンジンチューンについては必要最小限で、フジツボ製のマフラーを入れてECUの現車合わせセッティングを行っている程度。フィーリングこそ大幅な改善を果たしているものの、最高出力はノーマル+αというライトな内容となっている。
ホイールはボルクレーシング、タイヤはストリートステージをターゲットにアドバンスポーツ(195/50R16)を組み合わせる。
キャリパー&ローターは純正のまま、パッドのみエンドレスCC-Rgへと変更。4輪に上手く荷重を乗せられる足回りに仕上げることでコントローラブルな特性を目指したのである。
一方の外装は、純正オプションのリップスポイラーとガレージベリーのカーボン製リヤスポイラーを追加してジェントルにまとめあげる。アライメントや車高合わせにも拘っており、運転席にドライバーを座らせた状態でキッチリと数値を追い込む。キャンバーは前後ともネガ約3度で、キャスターは少し寝かせる方向。そうして筑波や菅生の高速コーナーでの安定性を高めている。
全体的に手数は少ないが、それでもスポーツランドSUGOで1分40秒台、筑波サーキットは1分6秒台、エビス西は1分7秒台と、スペックから考えるとかなり速いタイムを刻む。
タイヤとホイール、そしてブレーキを高次元で上手くマッチングさせることで、バネ下のトータルバランスを高めていく。決してハードではないのに、速くて楽しい。そうしたアクティブ流のマシンメイクに共感を覚えるロードスター乗りは決して少なくないはずだ。
●取材協力:アクティブ 埼玉県春日部市緑町1-8-16 TEL:048-738-7670
【関連リンク】
アクティブ
http://www.active-gt.com/