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スペースフレームにV6ツインターボを搭載!
パイクスピークを駆け抜けた驚異の4WDモンスター
過酷で危険なレースとして知られるアメリカのパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム。標高差の激しい山岳地帯を一気に駆け上がるこの競技で見事に6連覇を成し遂げるなど、世界中にその名を馳せるのが“モンスタースポーツ”を率いる田嶋伸博さんだ。
そのアグレッシブな走りはよく知られたところだが、実は独自のアイディアを盛り込んだクルマ作りにも定評がある。有名なところでは、前後にパワーユニットを搭載したツインエンジン仕様のカルタスやエスクードがそれだ。
そんなモンスター田嶋がまたしてもやってくれた。「クルマ好きをもっと増やしたい」との熱い思いで製作したというのは、ただならぬ雰囲気を醸し出す『スーパー86』。実はこのマシン、国内ダートラ競技にも実戦投入されるだけあって中身のメイキングも尋常ではない。
まず、フレームはスチールで組み上げられたモンスターのオリジナル。これにオリジナルの3.0LのV6ツインターボエンジン(詳細は非公開)を積み込み、最高出力は670ps/82.5kgmを発揮。路面μの低いダートでその巨大なパワーを伝えるべく、4駆システムを採用しているのもポイントだ。
エンジンのマネージメントはフルコンの代表格“モーテック”のM800で行われている。
センター2本出しのマフラーが只者ならぬ雰囲気を醸し出すリヤセクション。エンジンや駆動系などのクーリング対策もキッチリと行われ、安定した走りを実現する。
ボルクレーシングVR.G2の20インチを違和感なく収めるワイドボディはフルオリジナル。ディメンションは全長4650mm×全幅1920mm×全高1480mmだ。
前後ダブルウィッシュボーンとなる足回りも完全な専用設計。フレームやメンバーも全てオリジナルという生粋のレーシングマシンだ。
コクピットは、中央にバケットシートが鎮座する衝撃のセンターハンドル仕様。ワンオフのメーターパネルやドアはドライカーボン製で、モーテックのデータロガーも搭載されている。しっかりと内装を作り込んでいるところにモンスターの拘りが感じられる。
Iパターンのシフトはドライバーの左側に配置。ミッションはシーケンシャルドグで、大パワーを迅速かつ確実に伝達する。
RCカーのバギーを彷彿させるルックスは、トヨタ86のイメージをシッカリと再現。悪路でも車体を押さえつけるために、2枚板タイプのバーチカルGTウイングも特大サイズが投入されている。
初陣となったのは、モビリティおおむた(福岡県)で開催された全日本ダートトライアル選手権第2戦。後続に0.8秒の差をつけて見事勝利を飾った。「やっぱりダートラは楽しい!スーパー86は面白いクルマに仕上がっているよ!」と語る田嶋さん。数多くの怪物を手懐けて来た男の新たな相棒は、期待を裏切らない走りを見せつけた。(OPTION詩2013年7月号より抜粋)
●取材協力:モンスタースポーツ TEL:0538-66-0020
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