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パワーアップだけでなく安定した性能を重視!
全方位スキ無しの完成度を誇るジェイズレーシングS660
S2000やシビック、フィットなど“ホンダスポーツ”を得意とする名門“ジェイズレーシング”。S660に関しても、モデルデビューと同時にチューニングを開始。早い段階で、筑波1分8秒675&セントラル1分35秒2をマークする快速スペックを作り上げた。細部を見ていく。
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エンジンは、660ccの排気量と4500rpm付近でピークトルクを迎えるパワー特性を考慮し、オリジナルのハイフロータービンをセット。デモカーではブースト圧を1.3キロへと一度オーバーシュートさせて低中回転のトルクを稼ぎ、1.1キロ付近で安定させるセッティングとしている。最高出力はハイオク仕様で114psだ。
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スポーツ走行時の不安要素となる油温に関しては、S2000純正の水冷オイルクーラーを流用。クーリング性能を高めるため、ラジエターのサイズアップも同時に図っている。
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吸気温度上昇によるフェイルセーフに悩まされるS07Aだが、その対策としてサイドステップ後部から取り込んだフレッシュエアを電動ファン内蔵ダクトでインタークーラーへと加速送風するシステムを構築。コア反対側の放熱面には、通電させて冷却効果を高める熱電冷却方式ヒートシンクもセットしている。
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走行データ収集やセットアップの自由度も含め、エンジンマネージメントに採用したのはフルコンのリンクG4+Fury。デモカーのインジェクターは、180cc×3+280cc×3仕様としているが、それらをツーステージ制御することも可能だ。
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スポーツ走行時のコンディション変化をいち早く察知するため、AiM・MXGロガーディスプレイをセット。走り込みを重ねて蓄積した走行データが、安定性と安心を確保したユーザーフィードバックに欠かせないのだ。
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ダンパーやスタビライザーのセッティングでハンドリングは大きく変わるが、要チェックポイントとなるのはリヤアームのブッシュ。ノーマルはコーナリング時のトー変化が大きくなってオーバーステアとなりやすいため、ピロボール化すればアライメント変化を抑制できて挙動が安定する。また、ブッシュのヨレが抑制されることで、ハンドリングのリニアさも得られるのだ。
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リヤの安定性を引き出しつつ、旋回性も備えていくのがS660をコーナリングマシンに仕上げるためのポイントとなるが、車高を落としていくと不足するフロントストローク量。デモカーに投入されたオリジナルのブラックシリーズダンパーは。ダンパー容量、ストローク量に配慮し、徹底的に煮詰め上げた逸品だ。
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タイムだけを考えるならワイドボディ化は有効だが、あくまでもユーザーカーの延長線上でS660の魅力を引き出すため、ナローボディでのセットアップを進めている。
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エアロパーツに求められる要素は、スタイリング、ダウンフォース、クーリングなど多岐に渡る。ジェイズレーシングでは走り込みで効果を確認しつつ、実用性に配慮したボリューム、ポテンシャルに見合ったダウンフォース、要求されるクーリング性能を与えたオリジナルエアロを用意している。
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「S660ではトップステージとなるサーキットで走り込みを重ねることでベース特性がハッキリと見え、ユーザーニーズに応じたセットアップやパーツデリバリーが可能となりました。現状の仕様で筑波1分6秒も狙えると考えていますので、これからも期待しておいてください」とはジェイズレーシングの梅原さん。走りを突き詰めたいオーナーにとって、その動向は目の離せないものとなるだろう。
●取材協力:ジェイズレーシング 大阪府茨木市彩都もえぎ1-3-2 TEL:072-641-9000
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