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故障診断コネクターから誰でも手軽にECUデータを書き換えられる
ブーストアップのみならずGTIII-FXタービン仕様にも対応!
F-CON Vプロと双璧をな“すHKS”の必殺セッティングツール『フラシュエディター』。統一規格のOBDII端子からスマートにECUプログラムの書き換えができるこの電子パーツは、2012年の発売以降、ラインナップを拡大し続け、今では20車種以上をカバーするまでになっている。
今回紹介するのは、その中でも開発段階で相当苦労したというZC33S用だ。
「故障障診断コネクターを通じて、誰でも簡単にECUデータを書き換えられるようにするために、超えなければならないハードルが幾つもありました」とHKS第2開発部の三輪嘉彦さん。
ご存知の通り、ZC33S用のチューニングECUは多くのメーカー&ショップからリリースされている。HKSも例外ではなく早い段階からマスタリーECUを発売していた。しかし、それらは全て純正ECUを取り外してデータを書き換える必要があった。つまり、プロショップや販売店に車両を持ち込む、もしくは純正ECUを郵送するといった煩わしい作業が伴っていた。
対して、HKSのフラッシュエディターは故障診断コネクター(OBDII端子)に繋ぐだけでインストール可能。しかも、ブーストアップやGTIII-FXタービンに適合するカスタムデータがあらかじめ用意されおり、エンドユーザーが自身の手でECUデータを書き換えられる。
ブーストアップ仕様のユーザーが、後々GTIII-FXタービンを装着してステップアップする際も、フラッシュエディターひとつで対応可能。さらに、HKSパワーライター店に行けばスペシャルな現車合わせセッティングも可能と、あらゆる仕様に対応できる発展性を秘めているのも大きな特徴と言える。それでいながら、価格は7万円(税抜き)なのだから恐れ入る。
「すでに吸排気チューンしているユーザー様でも、確実に効果を体感していただけるように開発を進めました」と三輪さん。セッティング項目は多岐に渡り、燃調や点火時期はもちろん、可変バルタイや電子制御スロットルマップ、さらにはレブリミット(6000rpm→6300rpm)やスピードリミッターの変更(300km/h)まで実行される。
となると、気になるのは実際の効果。まずは、吸排気系やインタークーラーを強化したブーストアップ仕様のパワーチェック結果から見ていこう。
フラッシュエディターによりブースト圧はノーマルの1.05キロから1.3〜1.35キロまで引き上げられ、最高出力159.1ps、最大トルク28.1kgmを達成(ノーマルは最高出力140.8ps、最大トルク24キロ)。約20psのエクストラパワーを手に入れつつ、2000rpm〜6000rpmという常用〜高回転域の出力特性を改善させることで、数値以上にパンチ溢れる走りを生み出してくれる。
一方のGTIII-FXタービン仕様では、さらに圧倒的なパフォーマンスが手に入る。タービン風量の拡大に伴い最大ブースト圧は1.4キロまで高められ、最高出力は186㎰、最大トルク30.5キロに到達。車重1トン切りの軽量ボディでこれだけのパワー&トルクを絞り出しているのだから、その過激さは想像するに容易い。
さらに注目したいのは、車両売却時や車検の際などにはすぐにノーマル状態へと復帰できる点。ECUチューニングに多少なりとも抵抗がある人にとって、すぐにデフォルトに戻せる安心感は大きいだろう。
チューニングのネガ要素すらも克服した至宝のセッティングツール。まだ、ZC33Sスイスポを覚醒させていないオーナー達は、試してみてはいかがだろうか。
●問い合わせ:エッチ・ケー・エス 静岡県富士宮市北山7181 TEL:0544-29-1235
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