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ECUチューンのみで最高速289キロをマーク
トラクション重視のセッティングで圧倒的な乗りやすさを実現!
トヨタ86の全開アタックで200マイルに迫る315km/hオーバーを記録するなど、最高速チューンにかけては無類の強さを誇る“オートクラフト”。そんな同社が高速周回路に持ち込んだGRスープラは、3.0LターボのRZグレードだ。
この車両は“ユーザー目線”をコンセプトとしているため、今回は“ステージ1”と位置付けられたECUチューンによるブーストアップ仕様での挑戦となる。
エンジン本体は完全なストック状態。ブースト制御系はECU-TEKを駆使し、スタートブースト圧を1.0キロ、2速で1.2キロ、3速から1.3キロと段階的に高めるセッティングを実施。急激なトルク変動を抑え、扱いやすさを優先しているのだ。
これによる出力は、純正の328ps/52kgmから401ps/65kgmまでパワーアップ。なお、計測はダイナパックで行い、TCファクターは(1.0)だ。これは計測馬力の補正値で、1.0であれば表示値の補正はゼロとなる。物理的ロス馬力を入れたり、カタログ表示値に合わせるために使うわけだが、ローラー式に換算する場合は1.1〜1.15で設定するのがセオリーだ。
エキゾースト環境は、純正マフラーの排気効率も悪くはないそうだが、軽さやサウンドチューニングのためにHKSの輸出用スーパーターボマフラーをインストールしている。
乗り心地とスタイリングの両立を目指して投入されたサスペンションは、純正ダンパーに車高調整機能を与えるHKSのハイパーマックスツーリング。ホイールはボルクレーシングG025(F9.0J R10J)で、タイヤは純正ミシュランをそのまま履く。空気圧は前後とも2.6キロにセット。
インテリアにはオートクラフトオリジナルのアドバンススポーツステアリングモニターや、スポーツインフォメーションディスプレイを装備する。
エクステリアには、オリジナルのGTウイングを装備。車検対応の範囲内でどこまでダウンフォースを稼げるか考え抜かれた作品で、美しい形状もポイントだ。最高速アタックでは抵抗が増えてマイナス要素のひとつになるかも知れないと心配しながらも、あえて装着したままテストに臨んだ。
気になるテスト結果は289.27km/h。これまで計測してきた、お手軽ブーストアップ仕様のGRスープラの中ではトップとなる記録をマークしたのだ。
「ブーストアップとはいえ、2500回転で60kgmのトルクを発生するスペックなので、めちゃくちゃ速いですよ。特化したステージではクーリング系に手を入れる必要がありますが、ストリートレベルならこれくらいで十分だと思います」とは、オートクラフト白髭代表。
各部に手が入っているとはいえ、パワーチューニングはECUのコーディングのみ。GRスープラが有する資質の高さを再確認させてくれるようなリアルチューンドだ。
●取材協力:オートクラフト京都 京都府京田辺市大住大峯1-7 TEL:0774-64-6466
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