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ステップアップも見据えてウエストゲート式タービンを選択!
今回の主役は、RX-8のデビュー直後に速攻で350馬力のボルトオンターボ仕様を完成させ、世間を騒がせたフェニックスパワーのデモカーだ。日本初の13B-MSPターボ仕様、そのコア技術を振り返る。(OPTION誌2004年5月号より抜粋)
パワーチューンの雄フェニックスパワー製作のRX-8
電気モーターのようにフラットに回るエンジン、驚くほど気持ちよく繋がるシフト。にもかかわらず、トルクもパワーも全然足りない。これが、フェニックスパワー横山代表がRX-8に乗った際の第一印象だった。
そこで、13B-MSPのパワー特性を根本から見直すことを目的に、独自のパワーチューニングに着手。具体的には、ビッグシングルターボを軸にした過給機チューンである。
心臓部の13B-MSPは、オリジナルEXマニを介してウエストゲート式のT67-25Gタービンをインストール。最大ブースト0.75キロ時に355psをマークしている。セッティングはROMチューンで各リミッターを解除し、eマネージで補正をかけるという手法だ。
タービンを高い位置にセットしたのは、タービンからオイルパンへスムーズにオイルを戻すためとのこと。ボルトオンターボに精通したフェニックスパワーらしいポイントだ。
なお、チョイスしたT67-25Gタービンは、最も小さな8cm2のエキゾーストハウジングを選択。この読みが当たり、低中回転域からトルクフルな特性を実現、街乗りも以前とは比べものにならないほど楽になった。
エキゾースト環境は、フェニックスパワーオリジナルのデパーチャーマフラー(試作品)を装備。アイドリングは静かだが、アクセルを踏み込むとロータリーターボらしい重低音サウンドを奏でる。
足回りは、しなやかな乗り心地に定評のあるクァンタムRSサスペンションを軸に構成。バネレートはフロントが14kg/mm,リヤが7kg/mmだ。
ホイールは鍛栄舎のアイジャックサザンウェイ、タイヤはフロントが235/35R19、リヤが265/30R19のAVSスポーツ。リヤスポイラーは小ぶりなダックテールでストリート感を演出している。
元々NAで圧縮比10.0:1というエンジンに、無謀とも思えるブースト0.75キロの設定。高回転域で背圧が高くなりすぎるという問題が起こりそうではあるが、結果的に問題なし。動力性能はFD3Sのブーストアップ仕様に負けないほどの切れ味を実現している。
RX-8のデビューからまだ数ヶ月。このタイミングで、“過激な切れ味”を求める層など皆無に等しい事は百も承知だ。それでも一人のチューナーとして、13B-MSPチューンの可能性を追求したかったのだという。原動力は“探究心”、実にフェニックスパワーらしいチューンドだ。
●取材協力:フェニックスパワー 福井店:福井県坂井市丸岡町朝陽2-317 TEL:0776-67-2980/京都店:京都府久世郡久御山町佐古外屋敷37-2 TEL:0774-48-1157
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