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心臓部はハイレスポンスな2.7Lの580馬力仕様
外装はノーマルでも中身は超カリカリ!
このBNR32は外観こそノーマル風だが、中身は手の加えられてない部分を探すほうが大変なくらいのフルチューンスペック。いわゆる“羊の皮を被った…”というやつだ。街乗り&ワインディングをターゲットにオーナーが追求したのは、超が付くほどのレスポンスだ。メイキングを担当するのは、実力派ショップの“ティー・ゲット”。
RB26DETTエンジンは、HKSの1mmオーバーサイズピストンにJUNの2.6Lフルカンタークランク&スペシャルコンロッドを組み合わせたボアアップの2.7L仕様。摺動部は全てWPCまたはDLC処理を施して、抵抗を低減している。
ヘッドはティー・ゲットによるポート修正加工の他、HKSのVカムシステム(IN側)&264度カム(EX側)というスペック。イグニッションプロジェクツの点火コイルも、効果を体感できるお勧めパーツとのこと。
組み合わせるタービンはHKSのGT-SSツイン。最大ブースト1.3キロの設定で、最高出力580ps&最大トルク68kgmを獲得。今ならHKSのGTIII-2530タービンの組み合わせで、さらに鋭いブーストの立ち上がりレスポンスも可能だという。
サージタンクにはニスモ製を奢り、霧化特性に優れたマルチポイントタイプのインジェクターを装着。エンジン制御は軽量化も考慮して、純正ECUを残さずF-CON Vプロ3.4のみの単独駆動としているのもポイントだ。
ラジエターはコーヨー製アルミ3層。エンジン負荷の低減を狙って電動ファン化している。今後はさらにパワステポンプの電動化も予定していて、クランクプーリー周りの駆動抵抗でレスポンスアップを狙っている。
HKS製のインタークーラーに施されたブラックの放熱塗装は、冷却性だけでなくノーマル風の外観演出も狙ったもの。この他オイルクーラー、ミッションクーラー、デフクーラーも装備してハードな走りに対応。
排気系はノーマルEXマニにワンオフチタンフロントパイプ、緑整備センターのマフラーという組み合わせ。純正バンパーの下に追加したアンダーディフューザーが、このマシンで唯一と言えるアフターの空力パーツだ。
車高調は別タンク装備3ウェイ減衰力調整式のD2レーシング。ニスモ製のサスペンションアーム類とトラストアルコンのブレーキシステムも含め、オーナーがもう1台所有しているR34サーキット仕様からのお下がりなのだとか。
ホイールはBNR34純正をブラックに塗装して装着。外観ノーマル風というオーナーの拘りにもピッタリはまっている。タイヤはアドバンネオバAD08Rをチョイスしている。
ミッションはOS技研の6速シーケンシャルを装着。その他、駆動系は前後デフがOS技研、トランスファーも強化している。シフト前にはミッションとデフクーラーのポンプ駆動コントローラーが並ぶ。
通勤や買い物にも使うストリート仕様を感じさせるインテリア。サイドバー付きのロールケージまで装備した現状でも車重はほぼノーマルとなっている。今後はカーボンドア化などでさらなる軽量化を検討中という。
「価値が高まっている車種で大切に乗りたい気持ちも分かりますが、やはりGT-Rは走ってナンボ。こういう仕様は作っていても楽しいですよ。オーナーもまだやりたい事が色々あるみたいですしね」とはティー・ゲット境代表。名チューナーの元、まだまだこのGT-Rは進化していくというわけだ。
●取材協力:ティーゲット 埼玉県行田市藤原町2丁目6-9 TEL:048-554-1345
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ティーゲット
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