コンセプトモデル、EXP 15にインスピレーションを得たデザインが有力

確実にわかっているのは、ベンテイガの下位モデルとして、さらに小型で電気自動車となることだ。

ベントレーは、ブランド初のSUV「ベンテイガ」で大成功を収めた。2024年上半期には、この高級SUVはベントレーブランド全体の販売台数の41%を占め、年末までにベントレーのベストセラーモデルとなる見込みだ。そして今年、新たなトリムがラインアップに加わることで、ベントレーは大型SUVのさらなる成功に向けて準備を進めている。
ベントレーがSUVラインアップを拡充し、ベンテイガよりも小型で、やや手頃な価格帯のSUVを投入するのは当然のことだろう。この新型モデルはベンテイガの価格を下回り、ベントレーブランド初の完全電気自動車SUVとなる予定だ。
ベントレーのベイビーSUVは、当初今年中にデビュー予定だったが、2026年に若干延期された。ティーザー画像が1枚公開された以外、ベントレーの次なる一手については、まだほとんど情報がない状況だ。
現段階でわかっているのは、同社がティザーで付けた名称「ベントレー アーバンSUV」という名前にはならないということだろう。これは、公式発表前にベントレーが使っている説明文に過ぎない。この新型SUVは、ベンテイガ、コンチネンタル、フライングスパーなど、ベントレーがこれまで手がけてきた数々の高級車と同じ系譜を辿ることになり、コンパクトながら間違いなく高級車になるだろう。
ベントレーの新型「アーバンSUV」はどんな姿になるのか?
この小型SUVのDNAには、大型のベンテイガの影響が確かに見られるものの、ベントレーはデザインのインスピレーションとして最新のコンセプトカーを参考にする可能性が高いと噂されている。公開されたばかりのコンセプトモデル、「EXP 15」は、ベントレーの将来のEVデザインの方向性を予感させると言っていいだろう。

EXP 15の長方形のグリル、直立したヘッドライトデザイン、そしてスリムなテールライトは、次世代デザインを予感させ、EXP 15コンセプトのデザイン要素の多くが量産SUVに採用される可能性が高いと思われる。
他のベントレーと同様に、この新型SUVも高度なカスタマイズが可能で、ベントレーは「発売時には460億通りのオプション構成が利用可能になる予定」と謳っている。
サイズに関しては、ベントレーの新社長兼CEOであるフランク=ステフェン・ヴァリザー氏は、アーバンSUVの全長が16.4フィート(約5.8m)未満になると明言している。これはベンテイガ(全長16.8フィート)よりわずか数インチ短い程度と、意外と大きなイメージだ。

ベントレーはすでに、アーバンSUVが完全電気自動車になることを発表している。しかし、同社はまだ量産EVを生産していないため、バッテリーパックの容量がどの程度になるかは不明だ。ベントレーは、アウディQ6 e-tronやポルシェ・マカン・エレクトリックなどの兄弟車が使う、フォルクスワーゲングループのPPEプラットフォームを採用する予定だ。
同氏は、航続距離は「驚異的」で、充電速度も「並外れて速い」と述べており、Top Gear誌に対し、この新型SUVは「充電速度、エネルギー密度、パッケージ、電動モーターの出力、効率など、あらゆる面で限界に挑戦する」と語ったようだ。
とはいえ、1回の充電で600マイル(約960km)や700マイル(約1160km)の走行距離は期待できないだろう。ヴァリザー氏は、Auto Express誌のインタビューで、「800マイル(約1360km)の航続距離は必要ありません。350マイル(約440km)から400マイル(約640km)の航続距離と、急速充電可能な充電ステーションがあれば十分です。」と述べている。また、駆動音も非常に重要で、この電気SUVは「爽快な」サウンドを奏でるだろうと述べているようだ。
ベントレーは、新型アーバンSUVの価格情報については何も明らかにしていない。大型のベンテイガは2025年モデルで207,050ドル(約3千万円)から販売されているが、このSUVは新たな顧客層を獲得するため、もう少し手頃な価格に設定される予定だ。とはいえ、希望小売価格は約150,000ドル(2千200万円)程度からが妥当だろう。
前述の通り、ベントレーは当初、新型アーバンSUVを今年中にデビューさせる予定だった。しかし、発売時期を延期し、現在は2026年末に発表、2027年初頭に発売すると発表している。
ベントレーの新型アーバンSUVは、英国クルーにあるベントレー本社で生産される。この新型SUVは、ベントレーが「Beyond100+」事業戦略の一環として、2030年まで毎年発売する予定のバッテリー式電気自動車とプラグインハイブリッド車のラインアップの第一弾となる。
世界の超高級ブランドのSUV開発は当分続きそうだ。
