モデルチェンジでついに後席ドアにスライド式を採用、車高を抑えて高い操縦安定性と直進安定性を実現
2025年6月にフルモデルチェンジした7代目ダイハツ・ムーヴの一番の特徴は、全高が1700mmに満たないハイトワゴンでありながら、後席のドアをスライド式にしたこと。開発者は「今の35歳以下のお客様には、幼い頃からミニバンに親しんだ方が多い。そこで軽自動車のハイトワゴンを選ぶときも、スライドドアの装着を条件にする」という。ミニバンの普及が本格化したのは、初代ホンダステップワゴンが発売された96年頃だ。約30年前だから、35歳以下のユーザーがスライドドアを好むという話も納得できる。カスタムがなくなったムーヴのグレードは4種類で、「G」と「RS」にはサイドストーンガードやリアスポイラーが備わり、以前のカスタムに近い。エンジンは「RS」がターボで、それ以外は自然吸気だ。
ムーヴの全高は2WD車で1655mmだから、スライドドアを備えながら、スーパーハイトのタントよりも100mm低い。重心も下がり、カーブを曲がるときの安定性も優れている。直進安定性などに影響を与える後輪の接地性を確保したうえで、ステアリング操作に対して車両の進行方向が自然に変わるため、車両の動きの鈍さを感じにくい。この設定により、右左折の多い街中でも運転しやすい。峠道でもステアリング操作が自然に感じる。
運転感覚で注意したいのは、斜め後方の視界だ。外観に躍動感を持たせるために、サイドウインドウの下端を後方に持ち上げたことにより、斜め後ろが見にくくなっている。購入時には縦列駐車を行って確かめたい。乗り心地は40km/h以下では少し硬いが、段差を通過したときの突き上げ感は小さい。なおターボの「RS」は、ショックアブソーバーの減衰力が少し高い。タイヤサイズは自然吸気エンジンが14インチなのに対し、「RS」は15インチだ。「RS」は比較的機敏に曲がるが、乗り心地は少し硬い。
インパネは立体的なデザインで、メーターの視認性も良い。エアコンのスイッチは、ATレバーの左側に配置されて操作しやすい。前席は腰を包む形状で快適だが、後席は床と座面の間隔が小さく足を前方へ投げ出す座り方になりやすい。着座位置をもう少し高めると快適になる。身長170cmの大人4人が乗車したとき、後席に座る乗員の頭上空間は握りコブシひとつ半、膝先空間は3つ分だから後席のスペースは広い。
なおムーヴを買うときは、デザインが異なるものの、ムーヴキャンバスも検討したい。2WDの全高は同じ数値で、後席側はスライドドアとなっている。ムーヴキャンバスストライプスの「G」の価格は、ムーヴ「G」よりも3万8500円高いが、360度スーパーUV&IRカットガラス、右側スライドドアの電動機能、カップホルダーの保温機能、後席下側の収納ボックス、2トーンの外装色など14万円相当の価値を加えた。価格差を考慮しても、約10万円はムーヴキャンバスが割安だ。デザインだけでなく装備の違いも考えて選び分けたい。


ターボの「RS」がお買い得だ。自然吸気エンジンの「G」に比べて最大トルクが1.7倍に増えるが、WLTCモード燃費は4%しか悪化しない。価格は「G」よりも18万1500円高いが、 12万円相当の装備が加わるので、ターボの正味価格は約6万円だ。

- リアドアの開き方:スライドドア
- 最小回転半径:4.4m(「RS」は4.7m)
- 全高:1655mm(4WD車は1670mm)


シンプルにまとめられたインパネ。オーディオの位置を低く設定することで走行視界を広く確保し、安心して運転できるすっきりとした見晴らしの良さを追求している。

「RS」「G」「X」にはタッチ&ゴーロック機能/ウェルカムオープン機能付きパワースライドドアを装備。タッチ&ゴーロックはドアロックを事前に予約する機能。

快適なドライブをサポートする機能が充実。ワイヤレス充電規格Qi(チー)はHDMIポート(インパネに1口)とセットでパックオプションとして設定。


ダイハツの予防安全機能の総称。衝突警報機能や衝突回避支援ブレーキ機能、誤発進抑制機能、車線逸脱警報/抑制機能、標識認識機能、オートハイビームなど、17種類もの機能が用意される。

ラゲッジルーム容量の大きさだけではなく、荷物の積み下しをスムーズに行えるようにリアゲート開口部の広さや形状にも工夫がうかがえる。





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※本稿は、モーターファン別冊 「最新軽自動車カタログ2026」の再構成です。



