語り合うのはこの2人!
ド級に軽薄イメージだけど中身は意外に骨太だった?

宮崎:ズーク。発売当時、やたらとインパクトありました。
津田:所ジョージさんのテレビCMはかなり鮮烈だったね。「ヘンテコリンが、気持ちいい!」って。実車の華奢さを見て二度びっくり。
編集部(以下、編):所さんって、キャラにブレがないなあ。変にカッコつけたりせずに、軽さを全うしている。
宮崎:そんな所さんをCMキャラクターに起用したセンスはさすが。個性的すぎるズークのキャラクターをしっかり受けとめていますもんね。
津田:なんで「ズーク」って車名だか、その謂れを知ってる?
一同:知りません。
津田:その説明の前に、ホンダが発売当時に発行したリリースから抜粋します。
一同:おっと。

津田:「このズークは、昨年の東京モーターショーに『MS50』として参考出品し、若者を中心に注目を集めたモデルで、高付加価値化の進むスクーターに飽き足りない都会派ヤング向けのトレンディなニューモデルとして二輪車の原点に立ち帰り、『乗って楽しく』『見て楽しく』を徹底追求した新しいスタイルの原付タウンビークルである」
宮崎:死語がモリモリですね!
編:一文が長すぎる。悪文。
津田:「都会派ヤング」「トレンディ」あたりがムズムズするな(笑)
宮崎:二輪車の原点に立ち帰り……は、マジでそうかも! 車体構成は思いっきりシンプルだし。
津田:短い距離をいかに手軽に移動するか──に真剣にアプローチしている。実車を目の当たりにすると、なんだか笑っちゃうけどね。
宮崎:で、名前の由来は?
津田:おっと、そうだった。バイクの「ズック(スニーカー)」だからズーク。あとは「〜ずく」= 〜の傾向が生じる、からヒントを得たホンダの造語という話も。結果、そのフォルムはびっくりするくらいシンプル。他のスクーターではあれだけ〝足し算〟でいろんな装備が加えられていった時代背景を考えると、めちゃくちゃ引き算なのがズークなんだ。

宮崎:もともとのイメージソースはスケートボードらしいですね。
津田:シートハイトは2段階で簡単に調整できるんだ。800㎜と770㎜でね。
編:小ぶりなシートは体重100㎏超のオレには不向きかも。
津田:それはシートが可哀想。
宮崎:きょうび、これほど肩の力の抜けたバイクなんて売ってませんよ。
津田:うんうん。抜け切っていて、さらに来世へと解脱している。
編:ホンダの「とりあえず出してみるか!」のパワーは、令和の今こそ各メーカーに見習ってほしいッス。
宮崎:めちゃくちゃ変わったルックスなんだけど、狙っているコンセプトは意外と直球なんだよね。自転車みたいに普段使いしてほしい! って。言い訳がなくて、清々しい。
津田:おいおい、なんだかズークが気高く思えてきたぞ(笑)
編:ズークを評価するんだったら、チョイノリだってもっともっとリスペクトしてほしい!
一同:さすがスズキ党(笑)
編:いえ、クロスカブも持ってます。


津田:ズークって、乗ってると子供に指差されて笑われるんだよなー。背筋もホントにピーンと伸びるし。でもタクト系の2ストだから、4ストOHVのチョイノリよりもずっと速い。時速50㎞/hはすぐに出る。
編:ちなみに同年1990年には、3ローターのユーノス・コスモやホンダNSXが発売されている。
宮崎:ホンダも余力あったなあ。
津田:そんなこんなで鳴り物入りだったズークだけど、たった1年ほどで生産終了してしまったみたい。
編:そりゃまた短命な……。
宮崎:ホンダの決断、早ッ! マルコのアソコ並み!
編:そのマル秘情報はどこから入手したのかな?
宮崎:「俺サマは例外なく早い!」っていつもジマンしてんじゃん。
津田:アホなの?(笑) まあそれも生き様みたいなもんか……。
宮崎:そうそう。いまどき笑ってもらってナンボ!
編:もはやネタでしかないけどね(笑)。えー、ちなみにズークに純正装着されていた懐かしの「足跡パターンタイヤ」なんですが、なんとズーク発売から30年以上が経った今でもIRCで新品が手に入ります。
一同:それはスゲー!
【モトチャンプ編集部】

