安さだけで選ぶのは危険!
コンディション重視の軽カー購入術
走りを盛り上げるパーツの開発や車両のセットアップ、サーキットイベントの主催まで、スポーツ走行を楽しむユーザーに向けて多彩な活動を展開する京都の「ナビック」。その敷地内には、ベース車として厳選された中古の軽自動車がズラリと並んでいる。

「手頃なコストで楽しめる軽自動車ですが、本気で走るなら最も重要なのは『ベース車選び』です」と、ナビックの吉田さんは語る。
「安さだけで飛びつくと、後々のメンテナンスで余計なコストがかかりがちです。また、ボディ自体が劣化していると、いくら手を加えても走りは改善しません。だからこそ当店では、エンジンなどの機関系やボディの状態をしっかりと見極めた車両を揃えています」。

ナビックでは、陸送費などのコストを惜しまず、日本全国から良質なベース車を仕入れている。走行距離7万〜8万kmまでを目安にコンディションの良い車両を厳選しており、自社工場を完備するほか、ショールームにはオリジナルパーツや走りに役立つアイテムも豊富に取り揃えている。

ちなみに、普通車と比べて軽自動車は、走行距離や年式による価格差が小さく、車両の状態による価格差も10万〜15万円程度だという。目先の安さに惹かれて過走行車を購入すると、消耗品の交換費用だけで購入時の価格差を上回ってしまうこともある。そのため、あくまでも車両の状態を最優先に選ぶべきというわけだ。

そんなナビックが初心者にオススメするのは、HA23系アルトバンやL235系エッセ。2026年時点では乗り出し価格が40万〜50万円前後と手頃で、アフターパーツも豊富に揃っている。車両購入後の走り込みやステップアップに予算を回しやすいのが魅力だ。そして、ナビックの在庫車にノーマル車が多いのにも理由がある。
「最初からパーツに頼った走りになってほしくないんです。まずはベース車本来の限界や特性を知り、そこからステップアップしてもらうのが良いと思っています」。
もちろん、チューニングを施してから納車することにも対応しているが、基本的にはノーマルやライトチューンでのデビューを推奨。走り込むなかで感じた不満をヒアリングし、必要なパーツの提案やセットアップを行うことで、ユーザー自身のスキルアップもサポートしている。

チューニングの順序に決まりはないものの、吉田さんが勧めるのは「タイヤ・ホイール→足まわり→シート」という流れ。連続周回をこなすような走り方でなければ、最初の段階ではブレーキパッドの交換さえ必要ないという。

走り込みを重ねてきたら、操作性を高めるスポーツステアリングなどを導入するのも有効だ。さらに本格的なサーキット走行を楽しむなら、安全性とボディ剛性の向上を狙ってロールケージを装着したり、4点式以上のシートベルトを導入したりすることも検討したい。
「最初はあれこれ手を加えなくても、楽しく走り込めるのが軽自動車の魅力です。MTにこだわらず、操作に専念できるATから始めるのもひとつの手。今ではATクラスを設けているレースもあります」と吉田さん。

実際にナビックでは、初めての愛車として軽自動車を選ぶ若いユーザーも数多くサポートしている。そのひとりが、18歳の宮坂さんだ。
原付のカスタムをきっかけに、エンジンなどのメカニズムやスポーツ走行に興味を持つようになった宮坂さん。維持費も考慮し、HA36アルトバンの5速MTモデルを愛車に選んだという。普段使いも考えてFグレードに絞り込んだものの、程度の良いMT車がなかなか見つからず、10軒以上の販売店を訪ね歩いた末にたどり着いたのがナビックだった。

「AT車でも走行距離が5万kmを超えた中古車ばかりでしたが、ナビックに展示されていたのは、走行距離2万8000km台の5速MTモデル。あまり見かけないボディカラーだったこともあり、即購入を決めました」。

購入したのは2015年式のアルトFで、価格は68万円。まずはノーマルの走りを知りたいという考えから、タイヤとホイールも純正のまま納車された。
「ノーマルの状態から試して、少しずつ手を加えて、ゆくゆくはサーキットも走ろうと考えています。購入前からいろいろとアドバイスをもらえて、ナビックで良かったと思っています」と宮坂さんは話す。

こうした初心者の相談に応えられるのも、長年にわたって軽自動車のチューニングに携わってきた専門店ならでは。ナビックでは日常のメンテナンスからチューニング、走り方のアドバイスまで幅広く対応するだけでなく、練習会や走行会も企画し、安心してスポーツ走行を楽しめる環境づくりにも力を入れている。
「最初が肝心なんです。だからこそ、クルマの限界や特性を知ってもらいたいという考えから、ウチではノーマルでの購入をお勧めしています。日々のメンテナンスから走り方、チューニングのアドバイスまで、購入後のサポートも万全ですよ!」と吉田さん。
安価な車両を購入して、いきなりチューニングパーツを投入することだけが軽自動車の楽しみ方ではない。良質なベース車を手に入れ、ノーマルの走りを理解しながら必要な部分に少しずつ手を加えていく。その過程まで楽しめることこそ、軽自動車チューニングの大きな魅力といえるだろう。
●問い合わせ:ナビック 京都府京都市山科区観修寺御所内町128 TEL:075-575-4433
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