6.5ps+48kg! 若者に刺さった軽量スポーツ【スズキ・ハイ】

SUZUKI ハイ|1985年発売
1985年(昭和60年)に登場したハイは、高性能6.5psエンジンと軽量コンパクトな車体でスポーティさを前面に押し出した50ccスクーター。最大の特徴は、レッグスペースからリヤへ向かってせり上がる「ハイヒップ・シェイプ」と呼ばれるスタイルだ。
ただ速いだけではなく、若者のファッション志向を強く意識していたのもハイらしいところ。4種類の2トーンカラーを設定し、ホイールまでカラーコーディネート! 尻上がりのボディラインと相まって、停まっていても走りを感じさせるような姿に仕上げられていた。
中身も見た目負けしていない。49cc空冷2ストローク単気筒エンジンは最高出力6.5psを発揮し、重量はわずか48kg(乾)。Vベルト式無段変速との組み合わせで、軽快な加速を狙った。しかも発売当時価格は10万9000円。軽くて、速くて、スタイルも派手。若者に刺さる条件がしっかり揃っていたというわけだ。
総排気量:49cc
エンジン:空冷2ストローク単気筒
最高出力:6.5ps/6500rpm
最大トルク:0.72kgm/6000rpm
全長×全幅×全高:1575×615×965mm
重量:48kg(乾)
タイヤ:前2.75-10/後3.00-10
発売当時価格:10万9000円

今では当たり前! シート下収納を初採用【ヤマハ・ボクスン】
YAMAHA ボクスン|1985年発売
スクーターに乗るなら、ヘルメットや荷物をシートの下へポンと入れる。現在では当たり前の光景だけれど、その便利さをいち早く形にしたのが1985年登場のボクスンだ。シート下収納スペースをスクーターで初めて採用した、歴史を振り返るうえでも外せない1台だ。
もちろん、収納だけが売りではない。49cc空冷2ストローク単気筒エンジンは5.8psを発揮し、Vベルト式自動無段変速を組み合わせる。重量55kgのコンパクトな車体によって、扱いやすさとスポーティな走りを両立していた。
ボディも実用品一辺倒ではなく、スクエアでカチッとした80年代らしいスタイル。年齢や性別を限定せず幅広いユーザーを狙ったことも、それまでの“○○向けスクーター”とは少し違うところだった。
便利だから収納を付けた、だけでは終わらない。その後のスクーターでは当たり前になる装備を、走りやデザインとうまく成立させたところにボクスンの価値がある。
総排気量:49cc
エンジン:空冷2ストローク単気筒
最高出力:5.8ps/7000rpm
最大トルク:0.60kgm/6000rpm
全長×全幅×全高:1640×630×960mm
重量:55kg
発売当時価格:13万9000円
三角形だから「トライ」! 所有感まで狙った個性派【ヤマハ・トライ】

YAMAHA トライ|1985年発売
トライという車名を聞けば「挑戦する」の“TRY”を想像したくなるけれど、このモデルで注目したいのは独特のトライアングル・デザイン。前8/後10インチホイールを組み合わせた個性的なプロポーションも含め、ひと目で普通のスクーターとは違うことがわかる。
狙ったのは、単なる移動手段では満足しない若者たち。「モノ」や「グッズ」としての質感、そして所有する喜びまで意識して開発されていた。シートロック一体式のヘルメットホルダーは、掛けたヘルメットが車体から大きくはみ出さないよう工夫。長身でも窮屈になりにくいフットスペースなど、見た目だけではなく使い勝手もしっかり考えられている。
49cc空冷2ストローク単気筒エンジンは5.0ps。Vベルト式自動無段変速ユニットをリンク機構とダンパーラバーで懸架することで、走行性能と快適性の両立を狙った。
価格は9万9800円。10万円を切る価格ながら、デザインも走りも“自分のモノとして持ちたい”と思わせる方向へ振った。そのキャラクターの濃さこそ、トライの持ち味だった。
総排気量:49cc
エンジン:空冷2ストローク単気筒
最高出力:5.0ps/7000rpm
最大トルク:0.55kgm/5500rpm
全長×全幅×全高:1540×610×965mm
重量:49kg
発売当時価格:9万9800円
※この記事は月刊モトチャンプ2025年12月号を基に加筆修正を行っています
【モトチャンプ編集部】