2輪車初! ヘッドライトが隠れる【ホンダ・スペイシー125ストライカー】

HONDA スペイシー125ストライカー|1983年発売

1983年3月に登場したスペイシー125ストライカーは、スペイシーシリーズの最上級モデル。最大のインパクトは、スイッチ操作でヘッドライトが自動的に出入りするリトラクタブル式ヘッドライトだ。これは2輪車では初採用。四輪の高級車を思わせるギミックを、125ccスクーターへ持ち込んでしまった。

エンジンもかなり豪華で、スクーター初となる124cc水冷4ストローク単気筒を搭載。最高出力は11psを発揮し、トルクセンサー付きVマチックを組み合わせる。さらに液晶式デジタルスピードメーターやデジタル時計、水温計、電圧計など、メーター周りにも当時のハイテク装備を詰め込んでいた。

さらにラジエターの放熱を利用し、左右の吹き出し口からライダーの足元へ温風を送るシステムまで装備。単に速いだけではなく、“高級乗用車感覚のスクーター”を本気で目指していたことが伝わってくる。

総排気量:124cc
エンジン:水冷4ストローク単気筒
最高出力:11ps/7500rpm
最大トルク:1.1kgm/6500rpm
全長×全幅×全高:1815×660×1145mm
重量:100kg
タイヤ:3.50-10・3.50-10
発売当時価格:27万8000円

手元のスイッチ操作で格納できるリトラクタブルヘッドライトを2輪車で初採用。液晶デジタルメーターや足元温風システムまで備えた豪華な125ccだった。

軽量ボディ+5.0psで俊敏に走る【ホンダ・フラッシュ】

HONDA フラッシュ|1983年発売

1983年12月に登場したフラッシュは、スリムな車体とスポーティな走りを組み合わせた50ccスクーター。49cc空冷2ストローク単気筒エンジンは最高出力5.0psを発揮し、ワイドレシオのVマチックを組み合わせることで、平地だけでなく坂道でも余裕のある走りを狙っていた。

車体は乾燥重量47kgと軽量で、車両重量でも51kg。フロントノーズからステップ、リヤへ流れるシャープなフォルムに、ボディカウルと一体化したヘッドライトを採用するなど、見た目にもスポーツ色が濃い。

足周りにはグリップ性能を意識したタイヤやショック吸収性を高めたサスペンションを採用し、エンジンマウントには防振リンクも装備。さらにMFバッテリーやオートチョークなど、日常での扱いやすさもしっかり押さえていた。

総排気量:49cc
エンジン:空冷2ストローク単気筒
最高出力:5.0ps/6500rpm
最大トルク:0.57kgm/6000rpm
全長×全幅×全高:1500×555×990mm
重量:51kg
タイヤ:3.00-8・3.00-8
発売当時価格:10万9000円
※価格は編集部調べ

5.0psの2ストエンジンを軽量ボディに搭載。Sタイプにはタコメーターも備え、50ccながらスポーツ感覚を前面に出していた。

パリの感性をスクーターに!【ホンダ・クレージュタクト】

HONDA クレージュタクト|1983年発売

ベースとなったのは、前年1982年にモデルチェンジしたタクト。4.0psの空冷2ストロークエンジンやトルクセンサー付きVマチックなど、その扱いやすさはそのままに、1983年3月、まったく違う方向から個性を加えた限定モデル(1万台)が登場した。

デザインを手がけたのは、パリのファッションデザイナー、アンドレ・クレージュ。白を基調にピンクを組み合わせ、クレージュのブランド意匠を取り入れた外装は、当時のスクーターの中でもひと目でそれとわかる仕上がりだった。

クレージュは1965年にミニスカートを発表するなど、1960年代のファッションシーンを象徴するデザイナーのひとり。その感性を50ccスクーターへ持ち込んだクレージュタクトは、“性能だけでなくデザインで選ぶ”という楽しみ方を強く打ち出したモデルでもある。

総排気量:49cc
エンジン:空冷2ストローク単気筒
最高出力:4.0ps/6000rpm
最大トルク:0.50kgm/5000rpm
全長×全幅×全高:1555×630×960mm
重量:53kg
タイヤ:2.75-10・2.75-10
発売当時価格:13万3000円
※主要諸元は編集部調べ

こちらは、タクトをベースに、ボトムリンク・カバーと、実用的な再度トランクを装備する「フルマーク・タクト」のクレージュ仕様。シートデザインも変更され、リヤの丸味のあるボディラインが特徴的だ。車両価格は1万円アップの14万3000円。

※この記事は月刊モトチャンプ2025年12月号を基に加筆修正を行っています

【モトチャンプ編集部】