「GR-DAT搭載の後期モデルも徹底攻略！」名門カンサイサービスが手掛けるGRヤリスチューニングの今
ストリートからサーキットまで高い戦闘力を発揮！
理想的なオールラウンダー仕様が堂々完成
ランエボにインプ、そしてGT-Rと数々のハイパワー4WDを手掛け、走りの魅力を磨き上げてきたカ“ンサイサービス”。GRヤリスという稀代のチューニングベースを見逃すわけはなく、デモカー2台体制を整えて速さと楽しさをアップさせるべく全力で取り組んでいる。
「次世代のスポーツ4WDとして登場したGRヤリスですが、ウチはストリートを強く意識したRZハイパフォーマンスではパワーエディターによるブーストアップやメインECUの書き換えによるチューニングの可能性を。あくまでナンバー付きながらサーキットでの速さを目指したRCはフルコンのモーテックM1を使って仕上げてきました」と振り返る向井さん。
現在は2台あったマイナー前のデモカーのうち、ストリート向きのメニューで仕上げられたRZハイパフォーマンスを手放し、新たにマイナーチェンジで設定されたGR-DAT仕様のRZを導入。今回紹介するのがその新デモカーとなる。
このGR-DATという新しいミッションは、クラッチ操作がいらない2ペダルのイージードライブが魅力なのかと思っていたそうだが、データを収集していくにつれ、その高いスポーツ性が明らかに。
鈴鹿サーキットでのタイムで比較しても、フルコン制御かつ足回りも徹底的に手を入れたマイナー前のRCが2分19秒台だったのに対し、機械式LSDすら投入していないパワーエディター仕様のマイナー後RZは2分23秒台をあっさりとマーク。秘められたポテンシャの高さが、タイムとして如実に表れたわけだ。
ここでGR-DATミッション搭載デモカーの細部を見ていこう。インテークは、マイナー前用のHKSコールドエアインテークを小加工して装着。厳密なパワーチェックは行なっていないものの、現状のブーストアップ仕様のピークパワーはおそらく330ps付近とのこと。
制御系は、パワーエディターでブースト圧をノーマルの1.65キロから2.0キロへとアップ。約20ps向上するパワーと、3500〜5200回転の中間域で2kgm近く増加するトルクが走りの楽しさを高めてくれる。
マイナー前のRCではメタルキャタライザーとスーパーターボマフラーを投入していたが、マイナー後のRZはスーパーターボマフラーのみという仕様だ。
メーカーオプションのクーリングパッケージを装着し、サブラジエターでクーリング性能を強化。オイルクーラーはマイナー前用モデルのHKS製をベースに、カンサイサービス独自の加工を施してインストール済みだ。
足回りは、サーキットでのデータ収集を進めるためにHKSのラインナップの中でもハードなセッティングのハイパーマックスRを装着。向井さんによると、マイナー前／後に関わらずGRヤリスのサスペンションはリヤのセットアップが特に重要なのだという。
室内はノーマル然とした印象。運転席側はレッグサポートの大きいSR-S、乗降性を重視したい助手席はレッグサポートの小さいSR-Cをセット。GR-DATのオールラウンダーに相応しいシートチョイスを行なった。
エクステリアはマイナーチェンジ後モデルに向けて新規開発したオリジナル製品で武装。マイナー後の純正フロントバンパーをスタイリッシュに飾ってくれるフロントセンターリップ（4万1800円〜）は、フロア下の整流を考慮したボトムフィンも備えている注目作。さらに、両サイドにはオリジナルのフロントカナードフィン（3万800円〜）も展開する。
マイナー前/後の両方に対応できるクーリングエンジンフード（16万5000円〜）は、雨天時にエンジンルームへ水がかかりにくいダクト設計（専用レインカバーも用意）としつつ、エンジンルームの熱を走行風で積極的に引き抜く構造となる。
乗降性や最低地上高に配慮して薄型フラップ形状でデザインされたサイドステップ（6万3800円〜）。単調となりがちなサイドセクションに躍動感を生む。
腰高感の強いリヤビューを引き締めるシンプルデザインのリヤアンダースポイラー（5万7200円〜）も設定。サイドステップと同じ薄型デザインで、後付け感を払拭しているのもポイントだ。
Cピラーと翼端板がツラだったリヤゲートウイング・タイプ1に対し、100mの大型化でドアパネルとツラになったタイプ2（FRP：9万6800円／カーボン：14万5200円）。新設のリヤカナード（FRP：2万8600円／カーボン：5万600円）がウイングへと走行風を導く。
現実的なライトチューニングでも圧倒的な速さを見せつけるマイナー後のGRヤリス。間もなく、発売が開始されるGR-DAT用機械式LSD、近い将来に確立されるECUセットアップが加われば、より一層GR-DATのオールマイティさが際立つ1台へ仕上がることは確実だ。
●取材協力：カンサイサービス 奈良県奈良市小倉町1080 TEL：0743-84-0126
【関連リンク】
カンサイサービス
http://www.kansaisv.co.jp
