関東、特に埼玉県を中心に活発な活動を続けている日本旧軽車会。これまでにも何度かイベントの模様をお伝えしてきたが、2021年からは関東を飛び出し長野県上田市でのイベントにも協力している。それが商業施設であるアリオ上田でのクラシックカー展示会だ。毎年春と秋に開催されることが定例になっているが、今回は2025年9月13日から15日にかけて開催された「アリオ上田特別な3Day’s 昭和平成名車展示会」の模様をお伝えしよう。
敬老の日を含めた秋の連休に開催されるとあり、会場には大勢の見学者が訪れると予想された。取材に向かったのは9月13日で、この日は「国産車」が展示される。翌日の14日は「外国車」で最終日の15日は「軽自動車」とジャンルごとに開催日を分けての開催となった。ところが13日は関東地方を中心に朝から生憎の雨模様。開催が不安視されたものの、長野県に入ると空模様は見事に晴れ、車両展示に協力している日本旧軽車会会長である吉崎 勝さんの「晴れ男ですから」とのセリフにも納得。
国産車をメインとした13日の会場には、関東地方のイベントでお目にかかることの少ない旧車たちが目立った。やはり多くは長野県や隣接する群馬県のナンバーを付けた車両なのだが、なかには関東地方や遠く神戸ナンバーのスカイラインも見受けられた。お話を聞いて驚いてしまったが、なんと神戸市から自走で参加されたという。この神戸ナンバーのスカイラインは後日改めて紹介する予定だ。
神戸から自走して参加、しかもオーナーは78歳と高齢ドライバーでもある。当然前日から宿泊していると思われる。というのも主催側で参加受付時に宿泊希望者には宿付きのプランを用意しているのだ。もちろん前日だけでなくイベント開催後日に宿泊することも可能なので、3連休を存分に楽しむことができる。無理のないイベント参加を推奨してもいるのだ。
ただし、日本旧軽車会はインターネットなどでの活動を行なっていない。過去に参加したオーナーへは毎回手書きの封書が届き、イベント開催案内が送られてくる。同封された参加用紙に記入して返送するといった、昔ながらの方法で参加車を集っている。そのため新規の参加希望者には敷居が高く思えるかもしれないが、ネット上には「日本旧軽車会」や「昭和平成クラシックカーフェスティバル」などで検索すると開催案内がヒットする。会長の吉崎 勝さんに携帯電話で連絡を取ってみることをオススメしたい。
会場になったのは商業施設であるアリオ上田。ショッピングモールであり映画館も併設されていることから、休日ともなると大勢の買い物客が訪れる人気エリアだ。そのため駐車場の収容台数も1900台と半端ではない規模で、安心してクルマで訪れることができる。JR上田駅から徒歩でも10分かからない場所にあり、近くには戦国時代の名将である真田昌幸が築城、そして真田信之が当主を勤めた上田城址公園もある。
晴れ間の見られた9月13日だが、涼しいとは言えない気温。さらに前日までの雨の影響か蒸し暑い日となりエアコンは無論のこと、クーラーすらない旧車での参加は大変だったことだろう。近年ではクーラーのない国産旧車に電動タイプだったり近年の軽自動車用ユニットを移植してクーラーを装備する旧車オーナーも増えてきた。これだけ酷暑が続くと、そろそろクーラーの導入を真面目に考えるオーナーが増えることだろう。
訪れた「国産車」の日は1950年代からバブル期のモデルまで、幅広いラインナップだった。募集台数は60台で参加資格は昭和20年以前から平成12年（2000年）までに生産されたモデルとされている。そのためネオクラシックカーたちも比較的多く参加していた。もちろん4輪だけでなく3輪車や2輪車も年式さえ合致していれば参加可能で、60台の枠とは別に外国車や軽自動車も参加可能となっていた。
今回のイベントは主催がアリオ上田で車両展示に日本旧軽車会が協力している。2025年の10月以降では日本旧軽車会が主催によるイベントが続くことになり、10月19日には埼玉県川島町役場の駐車場で「昭和平成なつかしオールドカー展示会」が開催予定。11月16日にも埼玉県の北元ヘイワールドで「昭和平成クラシックカーフェスティバル」が開催予定だ。見学だけでも楽しめるし、旧車オーナーであれば一度は参加されることをオススメしたい。
