連載

ランクルプラド Up Style Project

プロスペックの収納ツール!!

フロントランナー東京(ソリッドジャパン)のファクトリーで偶然出会った、珍しくもハイセンスな赤プラドが貫くスタイルが妙にカッコよかった。足をアゲているのはサーフィンのときに深い砂浜まで乗り入れるため。ルーフにはロングボードをがっちり固定するゴツいルーフラックが付いている。オーナー氏にとってはすべてが必要な機能で、ドレスアップなどしているつもりではなくても、それが自然とサマになっている。そこに妙に惹かれたのだった。

フロントランナーは南アフリカ発祥にして、世界中の僻地を走破する際に必要な装備品を展開する一大パーツメーカーだ。今では国連の車両や、自然ドキュメンタリー番組の撮影車などにも使用されるという。そのすべてが強靭で高品質で、そして何より使い勝手がいい。車種や用途に応じて様々なラックやアクセサリーが揃うので、オーダーメイド感覚で収納機能を作ることができる。

ファクトリーに併設されるショールームには無数のオプション装備が並び、アレコレ悩む時間さえも楽しいと感じる。件の赤プラドは、ルーフラックにサーフボードマウントが加わり、かつ簡易的にテントを広げられるカーサイドタープが装着されていた。

そんな赤プラドに触発され、ひとまず入り口にと純正ルーフレールを活かすタイプのロードバーを取り入れた。では、強固に備わる2本のバーをどう活かすか。そこで今回、載せたのはPACKLINEのルーフボックスだ。用途に応じてベストアンサーが決まるフロントランナーの多様なラインナップよりも、まずは汎用性の高いルーフボックスと共に過ごしてみたかったからだ。

これは北欧ノルウェーで生まれたハイエンドなルーフボックス。堅牢な作りなのに軽量で、なおかつ空気抵抗を軽減させる流麗なフォルムを持つのが特徴となる。今回は堂々としたプラドの体格に合わせて、NXシリーズの最高峰「NXプレミアムXL」を装着した。前号で触れたタイヤ&ホイール交換との相乗効果が手伝い、プラドのアウトドアツールとしての雰囲気にさらに磨きがかかったようだ。実際440ℓもの大容量を持つし、許容荷重だって75㎏と充分以上。灼熱から極寒まで温度に対する耐性も高く、1年を通してあらゆるアウトドア趣味を飲み込んでくれそうである。

荷物をパンパンに詰め込んで海へ山へと繰り出したい。と、思いながら空荷で都内を流す。それだけでもクルマを眺めてニヤリとできるのは新たな発見だった。風切り音も気にならず、ステアリングを握っていても、上家にモノを載せている感覚はない。唯一、都内に頻出する高さ制限のある駐車場だけは選ぶようになってしまった。それでも、これだけの大容量ながら流麗なフォルムと固定部分の凹みが相まって、高さは最小限に抑えられている。感触としては2・2m制限がギリギリ入れるか入れないか程度だと思う。今後、このスタイルに見合ったサスペンション構築(リフトアップ)もしていきたいので、その際にあらためて車高を測りたいと思う。

というわけで、タイヤ&ホイールにロードバー&ルーフボックスにと、アウトドアへ繰り出すための基本パッケージは整った。あとは「遊びまわるだけなんだけど……」という思いを胸に抱きながら、結局、休めずにこうして原稿をしたためている。

TOYOTA・LAND CRUISER PRADO Up Style Project Vol.3
今回はPACKLINEルーフボックスを取り付けることを前提に、純正ルーフレールに固定するロードバーを導入。見るからにゴツい造りにプロツールっぽさを感じさせる。
ロードバーの上に載せたのはPACKLINEのルーフボックス。ブランドの最高峰にあるNXシリーズのNXプレミアムXLをチョイスした。前部を軸にして後ろから開く構造は、三方向どこからでも荷物の出し入れがしやすい。空気抵抗軽減を意識した流麗なデザインは、クルマのフォルムとマッチしてドレスアップ要素も満点だ。

【今回の進化】
03 BASE CARRIER/フロントランナー・ロードバー
04 ROOF BOX/PACKLINE NX Premium XL

STYLE WAGON(スタイルワゴン) 2019年7月号

※記事は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです

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