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2025年に50ccの原付一種バイク（ゼロハン）の生産終了で、「受注終了したスーパーカブ50・ファイナルエディション」にプレミア価格に？　を調査したら……

2025.02.05 20:30 2025.08.01 01:38 更新

by 北秀昭

1958年（昭和33年）8月に登場以来、国内はもちろん、世界中の人々に愛され続けてきたホンダスーパーカブ50。ホンダ伝統の横型・空冷4ストローク単気筒SOHC 2バルブ49ccエンジンを搭載。写真は現行のスタンダードモデル。

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2025年4月1日に道路交通法施行規則の一部が改正され、排気量50cc超125cc以下も原付一種（原動機付自転車）に区分される（原付免許で運転可能。ただし最高出力4.0kW以下の車両であることが条件）。これに伴いホンダは“50ccの代名詞”ともいうべき超ロングセラーモデル「スーパーカブ50」の生産を終了する。ここではプレミアが付くことが予想できる特別記念モデル「スーパーカブ50ファイナルエディション」の市場価格をリサーチしてみた。
REPORT●北秀昭(KITA Hideaki)

原付一種が50cc以下から125cc以下（新しい原付一種）になる理由とは？

写真左はホンダスーパーカブC125（排気量123cc）、写真右はホンダスーパーカブ50（排気量49cc）。

2025年11月以降に国内で生産される50cc以下の原付一種（以下、原付）のバイクには、新たな「国内第4次排ガス規制」が適用される。有害物質が含まれる排ガスを浄化するためには、高価な触媒が必要。ただし現行の原付バイク（50cc以下）では、浄化が始まる温度に達するまでに時間を要するなど、新基準の「国内第4次排ガス規制」に対応するには膨大なコストがかかってしまう。

規制をクリアできる原付バイク（50cc以下）を生産するための開発費や材料費は販売価格に反映され、結果的に原付バイクの値段は庶民には手が出ないほどに高騰。このため、現行区分での原付バイク（50cc以下）の生産・販売の継続は、事実上不可能となる。

一方、総排気量を125ccまで上げるとマフラー内の温度が上がりやすく、触媒の浄化が始まる温度に到達するまでの時間が短縮化。これにより新たな「国内第4次排ガス規制」に適合する車両の開発も、容易かつ低コストにて実現する。

上記の理由から長年バイクメーカーや関係団体が、原付の区分見直しを国（警察庁）に要望。国（警察庁）もようやく重い腰を上げるに至り、2025年4月1日に道路交通法施行規則の一部が改正。排気量50cc超125cc以下も、原付に区分されることになった（※注1）。

50cc以下のままでは膨大なコストのかかる新たな「国内第4次排ガス規制」により、公道走行用の50cc以下モデルは生産終了。その代わりとして、既存の125ccクラスや110ccクラスとは別物の、「新たな125ccクラスや110ccクラスの原付（最高出力は現行50cc以下並みの4.0kW以下に制限）」が誕生する。

2024年6月22日、大手新聞社のネットニュースやテレビのニュースが、「ホンダが原付免許で運転できる総排気量50cc以下の原付バイクの生産を、2025年に終了する」と報じた。

バイクの世界市場はとっくの昔に、125ccクラスを中心に動いている。日本の原付は50cc以下という“ガラパゴス”から125ccの世界基準を受け入れ、ようやく新時代に変わろうとしているのだ。

※注1：原付（既存の50cc以下）の排気量は125cc以下に引き上げられるが、車両の最高出力は既存の原付レベルである4.0kW以下であることが条件。なお「最高速度30km/h」「二段階右折義務」「二人乗り禁止」などの道路交通法はこれまで通りで変更なし。

2017年に生産終了したモンキー50。最終モデル「50周年スペシャル（500台限定）」の相場は、発売直後に爆上がり

ホンダの超ロングセラー原付（50cc以下）モデル・モンキー50は、当時の「平成28年排気ガス規制」をクリアすることなく、2017年8月末をもって生産終了。その直後、モンキー50と入れ替わるようにモンキー125が誕生した。

スチール製の前後フェンダーや燃料タンク、ヘッドライトケース、サイドカバーなど、各部にクロームメッキを実施したモンキー50の最終モデルである「モンキー・50周年スペシャル（500台限定）」は、購入希望者が殺到。購入希望やの数が限定台数を大きく上回ったため、ホンダの本社（東京・青山）で公開抽選会が行われた。

その結果プレミアが付き、新車価格43万2000円（当時の発売価格／税込）を遥かに上回る、驚くほどの価格相場に高騰。程度の良い車両は、現在でも高額で取り引きされている。

スーパーカブ50・ファイナルエディションは“定価”の29万7000円（税込）でリリース中。ただし販売店の在庫が尽きた途端、爆上がりする可能性も

写真左）スーパーカブ50・ファイナルエディション　　写真右）スーパーカブC50（1966年モデル）

中古バイク専門サイト「グーバイク」より。2025年1月27日現在、スーパーカブ50・ファイナルエディションの多くは“定価”の29万7000円（税込）でリリース。一番下の物件は28万6000円（税込）に値引きされている。

スーパーカブ50・ファイナルエディションは、スーパーカブ50生産終了のメモリアルとして発売。同車は2024年11月8日（金）から2024年11月24日（日）まで受注可能な期間限定モデル。車両価格は29万7000円（税込）。　※すでに受注終了

最終受注日から約2ヶ月を経た2025年1月27日現在、中古バイク専門サイトの「グーバイク」で検索したところ、多くのショップでは新車のスーパーカブ50・ファイナルエディションを、まだ“定価”の29万7000円（税込）でリリース。

需要過多の状態であった500台限定発売の「モンキー・50周年スペシャル」とは異なり、期間限定発売（それでもわずか17日間）のスーパーカブ50・ファイナルエディションの需要と供給のバランスは、今のところ安定している。

なおスタンダード版のスーパーカブ50は、2025年1月27日現在、現行モデルとして24万7500円（税込）で発売中。大手新聞社のネットニュースやテレビのニュースによれば、ホンダはすでに50ccの生産を終了。現在カタログ掲載中の50ccモデルは、メーカーの在庫が付き次第、カタログ落ちとなる模様。

道路交通法施行規則の一部が改正される2025年4月1日までには、「新しい125ccや110ccの原付」が登場する。受注販売が終了したスーパーカブ50・ファイナルエディションはもちろん、現行の50ccモデルが販売店にて完売した後は、プレミアが付いて価格が爆上がりする可能性大。購入を希望する人は、定価で入手できる今のうちに入手しておきたいところだ。