SP武川による145cc化されたクロスカブのデモ車。

スーパーカブ110と同じエンジンながらオフロードバイクのようなルックスで人気のクロスカブ110。とてもバランスの取れた乗りやすいモデルながら、同じオフロード系だとCT125ハンターカブも存在する。新車価格も排気量も上回っているため、並んでしまうとどうしても引け目を感じてしまうのも事実だろう。

Sステージボアアップキット145ccとFIコンTYPE-Xを装着している。

そこでスペシャルパーツ武川から発売されたボアアップキットが気になっているオーナーも多いのではないだろうか。排気量は実に145ccまで拡大されるので、それまで感じていた引け目が完全に払拭されることだろう。Sステージボアアップキット145ccは5万4780円(税込)と比較的求めやすい価格であることもうれしいポイント。ただしキットだけでなくFIコントローラーも必要になる。

ボアアップキットを装着したシリンダーヘッドが精悍。

ボアアップキットを組み込むとシリンダーヘッドにはSP武川のロゴが光り、只者ではない印象になる。このヘッドを装着しているクロスカブ&スーパーカブ110を見たら、競おうなどと考えないのがいいだろう。今回は145cc化されたクロスカブの実力を味わうため、SP武川のデモ車に試乗している。例によってYOUTUBEで無料動画を配信している「モトチャンプTV」に上がっている「現行カブシリーズの145ccボアアップキットを徹底解説&試乗」という回をダイジェストにまとめたので紹介したい。

排気効率を上げるため新作のトラッカーマフラーを装着している。

SステージボアアップキットとFIコンTYPE-Xを装着したエンジンなら、排気系にも手を加えたい。排気効率を向上させることで、よりパワフルなエンジンに仕上がるからだ。今回試乗するデモ車にはSP武川の新作であるトラッカーマフラーが装着されていた。精悍なルックスも手に入るぞ。

SP武川製マフラーは他にもスクランブラーマフラーなどが選べる。

すでにSP武川から発売されているスクランブラーマフラーなどでも排気効率の向上が果たせる。どれを選ぶかはセンスと好みの問題になりそうだ。ただスクランブラーマフラーだとトラッカーマフラーより安価という利点があることも見逃せない。

デモ車にはモアパワーを求めてビッグスロットルボディーキットと強化クラッチを取り付け済み。

Sステージボアアップキット145ccと同時に組み込みたいのが、吸気効率を向上させてモアパワーが手に入るビッグスロットルボディーキットφ28だ。マフラーと同時に吸排気効率を高めることで、マフラー交換だけの場合よりもパワーアップが果たせる。だが、ノーマルクラッチのままだと滑る可能性があるため、同時に強化クラッチキットを組み込むのが理想的だ。

油温を管理したいならオイルクーラーも必須装備だ。

パワーが上がるということはエンジンオイルの油温が高まることも考えられる。頻繁にオイル交換することでも対処できるが、油温管理にはオイルクーラーの装着が確実だ。デモ車にもコンパクトクールキットがヘッドライト下に装着されていた。

ビッグスロットルボディにするならエンジンにも対策を施したい。

吸排気効率を高めてパワーアップを図るとエンジンにも負担がかかる。そこで対策パーツとしてSP武川ではクランクシャフトサポートアダプターやスーパーオイルポンプキットを用意している。これらを同時に装着することでトラブルを未然に防ぐことができる。

エンジン性能とは関係ないがクロスカブ専用のオーバルミニLEDウインカーキットも装着されている。

今回のデモ車にはエンジンと直接関係ないものの、ルックスを向上させてくれるアイテムとしてオーバルミニLEDウインカーキットが装着されていた。クロスカブ専用設計のため簡単にボルトオンで装着可能だから、ルックスをカスタムしたいなら考えておきたいパーツと言えるだろう。

試乗して実力を味わってみよう!

排気量アップすることで上り坂では効果テキメンだ!

では実際に145cc化されたデモ車に乗ってみよう。走り出してすぐに体感できるのが大幅なトルクアップを果たしていることだ。少々の上り坂なら3速固定のままでもグイグイと登ってくれる。場合によっては2速に落としたくなるような場面でも、そのままシレッと駆け登ってくれるから効果は抜群と言えそうだ。さらに前が空いたところでスロットルをワイドオープンすると、猛烈な加速力を披露してくれる。CT125以上の加速力であることは間違いなく、軽量な車体との組み合わせで原付モデルとは比較にならない走行性能となっていた。

トルクが上がったことで街乗りがとてもラクになる。

パワーアップによる恩恵は上り坂やワインディングロードだけではなく、直線が続く一般道や狭い路地などでも感じられる。何しろトルクがあるので低速ギアでも無駄にシフトチェンジすることなくスムーズに走行することができる。また流れの早い一般道でもギアを3速や4速にしたままスロットルワークだけで流れに乗っていける。パワー感だけでなくトルクアップにより乗りやすいマシンに仕上がっているのだ。スーパーカブ&クロスカブ110のカスタムを考えているなら、見逃せないボアアップキットと断言できる。