新型ヤマハNMAX125(左)と155(右)。

発売されるや、瞬く間に受注を停止してしまう事態になった新型NMAX155。なんと言っても話題はミッション車のようにシフトダウンができること。電子制御CVTであるYECVTを採用したことでスクーターの走りに新たな価値観をもたらしている。ただ受注が停止されているため、乗りたくても乗れない状況が続いている。そこで今回は無料動画をユーチューブで配信している「モトチャンプTV」内にある「新型NMAX、125&155に乗ってみた! YECVT、楽しすぎる!」という回をダイジェストにまとめて走りの実力をご紹介したい。

解説はお馴染みのモトチャンプ編集長チャボ(左)とケニー佐川(右)。

動画では司会進行を編集長のチャボが、試乗インプレッションをモータージャーナリストのケニー佐川が担当している。すっかりお馴染みの二人による軽妙なトークが楽しめるが、肝心の新型NMAXについて、まずはおさらいしてみよう。

155に採用された注目の新技術YECVT。

まずはYECVTだ。155のみに採用され125には搭載されなかった新技術で、4輪では一般的なトランスミッションとなった無段階変速のCVTをモーターサイクル用にしたものだ。通常は一般的なスクーターの無段変速で走行してくれるが、シフトボタンを操作するとギアが低くなったように回転数が上がる。いわばシフトダウンしたかのような状態になるのだ。インドネシアで発表された時には「NMAX Turbo」を名乗ったそうで、実際にブーストがかかるわけではないが、スポーティな加速とコーナリングが楽しめる。

125(下)と155(上)ではメーター画面も異なる。

残念ながら125にはYECVTの採用が見送られた。そのためメーターにも違いがある。125には一般的なデジタルメーターが採用されているが、155にはデュアルメーターが採用されたのだ。このデュアルメーターは下側がモード切り替え可能な画面となっていて、スマホと連動させることでナビ画面にすることもできる。また「S」モード時にはエンジン回転数やギアの状態を知ることができる。

両車の価格差は7万円ほど。

125と155で大きく内容が異なるわけだが、その価格差は7万円ほど。原付2種と小型2輪という差はあるものの、内容を考えたら155のお買い得感が強い。ライバル視されるであろうホンダPCX160より安価な設定であることも見逃せないところだろう。

NMAX125に試乗!

まずは125から試乗スタート!

155は受注が停止しているが125は普通に新車を注文することができる。まずは従来型からどのように変わったのか、ケニー佐川がサーキットで試乗している。動画では試乗中の音声を聞くことができる。走り出しから従来型よりマイルドかつスムーズになったと発言している。それは路面を問わず感じられるところで、サスペンションストロークが長くなったのではと推測している。従来型がスポーティな乗り心地だったのに対し、明らかにソフトな乗り心地になっている。サスペンションにゆとりが感じられ、サーキットで走らせても自在にコントロールできる。

乗り味がマイルドになり快適性を向上させていた。

また125ならではの軽量感も味わえる。明らかにコーナリングスピードが高く、そこからの脱出時の加速も満足できるもの。エンジン自体も従来型よりスムーズになっていて上質さを味わえることだろう。

NMAX155に試乗!

続いて注目の155に試乗してみた。

155に乗り換えるてまず感じられるのが排気量の違いによる出足の良さ。弾けるパワーが125とは別物でエンジンの元気さが突出している。

「S」モードにすると画面下に回転数とギアが表示される。

メーター下に表示される画面はヤマハ専用アプリである「Y-Connect」をインストールすることでスマホと連動させることができる。通話や通知などのほか周辺天気など多彩な機能が盛り込まれている。もちろんスマホのナビ機能をモニターすることも可能だ。また写真にあるよう走行モードを切り替え「S」モードにすると、エンジン回転数やギアの状態を知ることができる。通常の「T」モードで走行するより明らかに力強い加速が得られ、スポーティな走りを楽しみたい時は「S」モードがオススメだ。

左手でシフトボタンを押すとシフトダウンしたように回転数が上がる。

さらに「S」モードの状態で左スイッチ下にある「SHIFT」ボタンを押すことでYECVTならではの走りを楽しめる。「SHIFT」を一度押すと1速シフトダウンしたような状態になり、エンジン回転数が跳ね上がる。さらに続けて「SHIFT」を押せばさらにもう1速シフトダウンしたようになるので、コーナリング進入時に活用することで車体を安定させることができる。スクーターでコーナリングする場合、ブレーキングによりエンジン回転数が下がるため一瞬トラクションが不足するように感じる。ところがYECVTを活用すれば、それこそミッション車のようなライディングが可能なのだ。

試乗を終えて二人が総括する。

大注目のYECVTはケニー佐川によれば慣れてくればものすごく楽しいライディングが可能とのこと。確かにコーナリング時にYECVTを駆使した走りを見ていると、まるでスポーツバイクのように走らせている。ただ、試乗を終えて二人とも共通していたのが「思った以上に125が上質」ということ。YECVTの採用が見送られたことで残念に思っていたのだが、走らせると軽量ゆえのヒラヒラ感やサスペンションストロークが長くされたことで操縦安定性が向上し乗り心地を改善していることが上質感となって表れている。125と155どちらにも買う価値あり、といったところだ。