斬新なラインナップの登場

アクラポヴィッチが、欧州でドゥカティ用排気系のラインナップをさらに強化した。新たに投入されたのはチタン製の「スリップオンライン(Titanium)」を冠する2種類のマフラーシステムであり、既存のV2エンジン搭載モデルを中心に装着可能な設計となっている。軽量化とパフォーマンス向上、そして視覚的な存在感を高めることを目的としたこの新製品群は、ドゥカティ乗りの期待を高める存在だ。

まずひとつめのシステムは、「ムルティストラーダV2/V2 S」専用に開発されたタイプだ。アクラポヴィッチならではの砂吹き仕上げのチタン外装に、内部構造にはステンレススチールが採用されている。モノトーンの控えめなロゴが配されたそのスタイルは、ワイルドすぎず洗練された印象を与える。ハンドメイドのカーボンファイバー製エンドキャップと、それに合わせたヒートシールドは高級感を演出するだけでなく、装着者の装備や車体へのダメージを抑える役割も果たす。

軽量化と性能向上の狙い

新型スリップオンは、純正マフラーと比較して軽量化が図られている点も大きな特徴だ。ムルティストラーダ用は純正比で約5.1%の軽量化を達成し、0.2kgの軽さを実現した。これは数値以上に走りのフィーリングに影響を与える可能性を秘めている。また、自社テストによると最高出力は約0.7kW、最大トルクは3.0Nm向上したという結果が得られており、特に中回転域での力強さが増したことがうかがえる。エンジン音もより深く、共鳴感のあるサウンドへと変化し、ライダーの感性に訴えかける味付けとなっている。取り付けは純正のECUリマッピング不要のプラグ&プレイ方式で、Euro5+適合かつEC/ECEの認証も取得している。

もうひとつの新製品は、「パニガーレV2/V2 S」および「ストリートファイターV2/V2 S」用として設計されている。こちらはグランプリレースからインスピレーションを受けたデザインで、二つの円錐形状のチタン製サイレンサーを備え、それぞれハニカムパターンのエンドキャップが装着される。チタン素材の採用により、純正システム比で約1.0キログラム、つまりおよそ30.7%もの大幅な軽量化が達成された。軽量化は運動性能の向上だけでなく、取り回しや加減速のレスポンスにも寄与する。

サウンドと装着性の追求

パニガーレ/ストリートファイター向けモデルは、エンジン回転数1万1000rpm付近で約1.3kW、7500rpm付近で約0.8Nmの出力向上が確認されている。加えて排気音はよりシャープでアグレッシブなトーンへと変化し、スポーツマインドを刺激する仕様だ。取り付けに際してはECUの調整を必要とせず、純正のヒートシールドを引き続き使用できる点も実用性を重視するライダーにとって魅力的なポイントとなる。Euro5+およびEC/ECE承認も取得しており、公道での使用にも適合している。

アクラポヴィッチの技術と伝統

アクラポヴィッチは元レーサーのイゴール・アクラポヴィッチが約35年前にスロベニアで創業したブランドであり、その歴史は高性能排気システムの開発とともに歩んできた。現在では二輪・四輪のモータースポーツシーンにおいて世界中のチャンピオンたちが同社製品を信頼し、多くのタイトル獲得に貢献している。その技術は最先端の設備で鍛え上げられ、80カ国以上で展開されるグローバルネットワークによって世界中のライダーやドライバーに届けられている。今回の新製品もその伝統と革新の延長線上に位置するものだ。

アクラポヴィッチの新たなスリップオンラインは、ドゥカティオーナーにとって性能、スタイル、サウンドのすべてをアップグレードする選択肢を提供する。軽量化によるダイナミクスの向上と、存在感あるデザインは、単なるアフターパーツ以上の価値を生み出す存在となるだろう。