自転車は車両であり、歩道での歩行者優先と徐行が義務

政府は2026年4月1日、道路交通法の改正にともない、16歳以上の自転車利用者を対象とした交通反則切符、いわゆる「青切符」の制度を導入した。
そもそも自転車は道路交通法において軽車両に分類されており、自動車や二輪車と同じ車両の仲間として明確に位置づけられている。
そのため、歩道と車道が区別されている道路では、原則として車道の左側を通行しなければならない。
また、歩道を通行できるのは、運転者が13歳未満の子どもや70歳以上の高齢者である場合や、車道の通行が危険な場合など、特定の例外的な状況に限られている。
なお、上記のように例外として歩道を通行する場合であっても、歩道はあくまで歩行者が優先される安全な空間として守られなければならない。

では、歩行者優先というルールはどこまで厳密に守るべきなのだろうか。
まず、自転車で歩道を通行する際は、車道寄りの部分をただちに停止できる速度で徐行することが求められるほか、歩行者の通行を妨げるおそれがある場合は、自転車側が一時停止をして歩行者に道を譲る必要がある。
また、歩道だけでなく横断歩道やその周辺においても、歩行者優先のルールは厳格に定められている。
道路交通法第38条により、横断歩道を渡ろうとしている歩行者がいる場合、クルマはもちろん自転車などの車両も必ず手前で一時停止し、歩行者の通行を妨げてはならないと規定されているのだ。

今回の新制度の導入により、こうした歩行者への徐行や一時停止を怠る行為や、通行を妨害する行為は明確な処罰の対象となった。
たとえば、標識などで例外的に自転車の通行が認められている歩行者用道路を徐行せずに走行したり、歩道で歩行者の進行を無理に遮ったりした場合、歩行者用道路徐行違反として5000円の反則金や、歩道徐行等義務違反として3000円の反則金が課されることとなる。
くわえて、横断歩道で歩行者の通行を妨害した場合も横断歩行者等妨害等という交通違反に該当し、同様に取り締まりの対象となる。
つまり、歩行者の安全を脅かすような身勝手な運転は、もはや社会的に許されない状況になっているというわけだ。
信号無視や一時不停止もただちに検挙! 反則金の対象となる

なお、新しく導入された自転車の、歩道における歩行者妨害だけでなくこれまで見過ごされがちであったさまざまな交通違反も取り締まりの対象となる。
とくに重大な事故につながりやすい危険な行為として、信号無視や一時停止の標識を無視して交差点に進入する一時不停止は、現場で即座に検挙されることは言うまでもない。
ほかにも、右側通行や歩道の逆走といった通行区分違反をはじめ、スマートフォンを操作しながらの運転も厳しい指導と処罰の対象に含まれている。
くわえて、傘を差しながらの片手運転やイヤホンで音楽を聴きながら周囲の音が聞こえない状態で走行する行為も、安全運転義務違反として処罰されるおそれがあるという。
もし警察官から交通違反を指摘されて青切符を交付された場合、決められた期限内に指定された反則金を納めなければならない。
反則金を納付すれば刑事手続きは免除されるが、一方で納付を拒否したり無視したりすると刑事事件として裁判所に呼び出されることになる。

これまで自転車は運転免許が不要なモビリティであり、正しい交通ルールを十分に理解しないまま運転している人も少なくなかった。
しかし、ルールを知らないという言い訳は通用せず、違反を繰り返せば自分や家族が大きな不利益を被りかねない。
そればかりか、万が一、ルール違反によって歩行者と衝突する事故を起こして被害者にケガをさせてしまえば、数千万円という高額な損害賠償を請求される事態にも発展する。
したがって、自転車に乗るすべての人は、車両の運転者としての重い責任を自覚し、標識や信号を確実に見落とさない注意力が必要となるだろう。
