視界不良や路面の滑り、歩行者の死角増加に注意

日本自動車連盟であるJAFをはじめ、多くの交通機関が雨天時の運転に対して強く警鐘を鳴らしている。
実際に首都高速道路株式会社の調査によれば、雨天時は晴天時に比べて事故率が大幅に上昇する傾向にあるとされている。
具体的には、雨天時の時間当たりの死傷事故件数は晴天時と比較して約4倍にも達し、側壁などの道路施設への接触事故件数に至っては約7倍にも跳ね上がるというデータが示されている。

では、雨天時の運転には具体的にどういったリスクがあるのだろうか。
まず挙げられるのは、フロントガラスに付着する水滴や周囲の暗さによる深刻な視界不良である。
これにくわえて、路面が雨水で濡れることによってタイヤの摩擦力が低下し、極めて滑りやすい状態に陥ってしまうことが大きなリスクとなっている。
JAFによれば、実際に雨天時にもっとも多く発生しているのは、カーブへの進入時や急加速時などに起きるスリップ事故だという。
わだちに溜まった水にタイヤが乗り上げてコントロールを失うハイドロプレーニング現象への警戒はもちろんのこと、車線変更で白線を踏んだ瞬間に滑ってしまう”ヒヤリハット”も少なくない。

また、一般道路においては歩行者や自転車の存在にも一層の注意が必要だ。とくに雨の日の夜間は視界が悪化するため、ただでさえ対象物の発見が遅れがちになる。
さらに、傘を差している歩行者は視界が狭まっており、接近するクルマに気づきにくくなっているという死角の増加も、重大なリスクとして認識しておかなければならない。
早めのライト点灯や広い車間距離の確保を!

上述したリスクがあるため、雨天時にはいつも以上に慎重な運転操作と予測が求められる。
とくに路面が滑りやすい状態では、ブレーキを踏んでからクルマが完全に停止するまでの制動距離が晴天時よりも確実に伸びてしまうため、制動距離の伸びをあらかじめ想定し、前方を走るクルマとは通常よりもかなり広い車間距離の確保を徹底することが大切だ。
くわえて、昼間であっても周囲が薄暗いと感じたら、早めにヘッドライトを点灯させることも欠かせない。
これは自分の視界を確保するだけでなく、周囲のクルマや歩行者に対して自分の存在をいち早く知らせるための重要な防衛策となる。
なお、最近のクルマには横滑り防止装置などの先進的な安全装備が標準搭載されているものの、急激なスリップに対してはシステムが対応しきれない場面も多いとされている。
安全運転のためには、安全装備を過信することなく、天候に合わせた慎重な速度管理を貫くことが何よりも重要となるだろう。

また、首都高速道路が公開するデータでも、60km/h以上で走行している際に施設への接触事故が発生しやすい傾向にあることがわかっている。
一般道であっても、横断歩道のペイントやマンホールの蓋など、雨に濡れると氷のように滑りやすくなる箇所が随所に潜んでいる。
これらを踏まえ、日頃からタイヤの溝の減り具合やワイパーゴムの劣化といった整備状態を常に点検しておくことが、ドライバーの責務と言えそうだ。
