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自衛隊新戦力図鑑コストパフォーマンスに優れた防空システム
ノースロップ・グラマン社は、50mm口径の誘導砲弾を使用する「砲ベース防空システム/Gun-Based Air Defense:GBAD」である、「レイド・ハンター」を発表した。筆者は同日に行なわれたオンライン発表会に参加し、同社副社長ケン・トドロフ氏による説明を受けた。
現在の戦場における空の脅威について、トドロフ氏は「ドローンや巡航ミサイル、短距離弾道ミサイルなど複数の攻撃手段を組み合わせた、“マス・ミックス・レイド(大量かつ複合的な攻撃)”である」と話す。

特に厄介なのは、低速・低性能だが安価なため大量投入されるドローン(長距離自爆攻撃ドローン)だ。高性能な戦闘機やミサイルを相手にするために作られた高価な対空ミサイルを、こんなモノの迎撃に使っていてはコストパフォーマンスが悪すぎる。
トドロフ氏は、レイド・ハンターが「コストパフォーマンスに優れた迎撃手段」であり、1発あたり数千ドル(数十万円)を想定していると話す。これは1発数千万円の対空ミサイルより、はるかに安価で、1機数百万円の長距離ドローンに数発撃ち込んでもオツリが来る。

なぜ「50mm口径」なのか?
レイド・ハンターで注目したいのは、口径50mmという砲弾サイズだ。既存の対空機関砲は20~35mm程度であり、かなり大型化していることがわかる。ざっくり説明すると、30mm砲弾(30×113mmB弾)は500mLペットボトル程度、50mm砲弾(50×228mm弾)は2Lペットボトル程度だ。
既存の20~35mm対空機関砲は、毎分数百~数千発という猛烈な速度で弾丸を発射し、弾幕により目標を捉えて破壊する。1発あたりのコストは安いが、弾の消費量が激しく、それなりに金のかかる迎撃手段なのだ。

対してレイド・ハンターは、自ら軌道修正して目標に向かって進む誘導砲弾とすることで、1発あたりの命中率を高め、1目標あたり数発の消費に抑える。これはコスト面のメリットに加え、弾を温存し、継続した戦闘能力を維持できる効果もある。ただし、必要な機能(目標捕捉や誘導、操舵機構)を組み込むには、それなりの大きさが必要となる。

なお、既存の対空機関砲が有効射程3~4kmの近距離用であるのに対して、レイド・ハンターの射程は「10km」との説明があり「短距離」防空を担うと考えられる。
50mm誘導砲弾を搭載する機関砲には「XM913」を用いる。これは既存の35mm口径ブッシュマスターIII機関砲の拡大型であり、アメリカ陸軍の次世代歩兵戦闘車「XM30」への搭載が決定している。すでに実績ある機関砲をベースとすることで、開発の迅速化を図っている。

トドロフ氏によれば7月に行なった試験ではXM931機関砲から36発を発射し、すべて迎撃に成功したという。レイド・ハンターは来年2027年夏にも実用可能なプロトタイプを軍に納入する計画だ。
