正面と背面は赤!警察官の立つ向きで変わる手信号の基本

大地震や落雷による停電などで信号機が機能しなくなった場合、交差点の安全を守るために警察官が中央に立ち、手信号を用いて直接ドライバーへ指示を出すことになる。
令和8年熊本地震や線状降水帯による水害など、昨今多発する自然災害に備えて手信号の意味を正しく理解しておくことは大切と言えるが、どのように手信号を見分ければよいのだろうか。
手信号は一見すると複雑な動きをしているように見えるかもしれないが、実は「警察官の体の向き」を基準にして直感的に判断するというシンプルなルールが基本となっている。

まず、車を運転していて交差点に進入する際、警察官の身体の正面、あるいは背面(背中)に向かって進行する形になる交通は原則として「赤信号」と同じ意味を持つ。
つまり、警察官と顔が向かい合っている状態や、背中がこちらを向いている状態であれば、交差点の停止線で確実に停止しなければならない。
一方で、警察官と対面せずに身体の側面に向かって進行する交通、すなわち警察官の横顔や肩口が見える方向から進んでいく場合は「青信号」を意味する。
警察官が両腕を水平に上げているとき、その腕の方向に沿って進む車は青信号と同じ扱いになるため、直進や左折、あるいは対向車に注意しながらの右折をおこなうことができるというしくみだ。

このように、警察官の体の向きが自分にとって正面・背面なのか、それとも側面なのかを瞬時に見極めることが、手信号を正しく読み解くための第一歩となる。
パニックに陥りやすい停電時こそ、周囲の車につられて無闇に動くのではなく、交差点の中央に立つ警察官の姿勢を落ち着いて確認し、基本のルールに則って行動する冷静さがドライバーに求められるのである。
腕を垂直に上げたら要注意!黄信号への変化と夜間の対応

しかし、手信号は常に青と赤だけで完結しているわけではなく、通常の信号機と同じように「黄信号」のタイミングも存在するため見落とさないよう注意が必要だ。
警察官が水平に伸ばしていた腕をスッと垂直に真上へ上げた場合、これはそれまで側面に向かう交通に対して出されていた青信号が「黄信号」へと変化したことを意味しているため、青信号だと思って交差点へ接近している最中に警察官が腕を垂直に上げたら、交差点の手前にある停止線で安全に止まらなければならない。
ただし、すでに交差点の中へ進入してしまっている場合は、そのまま速やかに交差点を抜けきることがルールとして定められている。
また、この腕を垂直に上げたタイミングにおいて、警察官の正面や背面に向かっている交通(もともと赤信号だった方向)に対しては、引き続き赤信号のままとなっている点にも留意しておきたい。
黄信号への変化はあくまで側面方向の交通に向けた合図であり、正面や背面の車は警察官が体の向きを変えて新たに腕を水平に伸ばすまで、停止線で待機し続ける必要がある。
くわえて、手信号は視界の悪い夜間や悪天候時におこなわれるケースも少なくない。
夜間に灯火(誘導灯)を用いる場合であっても同様のルールとなるので注意が必要だが、暗い時間帯は警察官の手の動きが見えづらくなるため、赤色や黄色に光る誘導灯を用いて交通整理がおこなわれる。
この場合も、誘導灯が体の側面で水平に振られているときは青信号、頭上に高く掲げられたときは黄信号、そして体の正面や背面に立ちはだかるように構えられているときは赤信号となる。

夜間は光だけが頼りになりやすく、余計に距離感や状況を掴みにくくなるため、スピードをしっかりと落として慎重に交差点へ接近し、手信号の変化へ柔軟に対応することが大切だ。
緊急事態に遭遇した際は、まず「警察官と目が合うか背中が見えたら赤信号」であるというわかりやすい原則をしっかりと頭の片隅に覚えておくことが重要となるため、停電等の緊急時であっても、手信号の意味を冷静に正しく判断して安全通行を徹底していこう。
