現行の深夜割引ルールと現在の適用条件

現行の深夜割引は午前0時から4時までの間に少しでも高速道路上にいれば全区間が約3割引きとなる。そのため、割引開始時間を待つトラックなどがパーキングエリア周辺で混雑する原因になっており、この解消が新制度の大きな目的だ。

現行の高速道路における深夜割引は、毎日午前0時から午前4時までの4時間が対象時間帯だ。この4時間の間に、東日本、中日本、西日本のNEXCO3社が管理する割引対象の高速道路をわずかでもETC無線通信によって走行していれば、入口から出口までの全走行区間の料金に対して一律で約30パーセントの割引が適用される。

たとえば、深夜になる前の23時に入口料金所を通過していても、午前0時を過ぎてから高速道路上を走っていれば割引の対象となるため、長距離を移動するドライバーにとって非常に恩恵の大きい制度として定着している。

対象となるのはETCを搭載したすべての車種であり、走行距離や利用回数に制限がないことも大きな特徴だ。

しかし、このしくみゆえに、割引の適用を受けるために午前0時直前に料金所の手前やパーキングエリア等で時間待ちをする車両が多く見られ、周辺の渋滞や安全上の課題が発生していた。そのため、時間調整による混雑を解消し、より適切な運用を行うための見直しが進められている。

2026年度以降に導入される新ルールの概要と変更点

新ルールでは割引時間が午後10時から翌午前5時までに拡大される。しかし、割引対象は時間帯の中に実際に走行した距離の分だけに限られるため、時間外の走行分は通常料金のままとなり、より走行実態に即した計算へと変わる。

これまでの課題を解決するために導入される新しいしくみでは、深夜割引の対象時間帯が午後10時から翌日の午前5時までの7時間へと3時間拡大されることが決定している。

割引時間が前後に広がることで、夜間の早い時間帯からの移動や、早朝の運行にも対応しやすくなるというメリットが生まれる。しかし、時間が拡大される一方で割引の適用条件は従来よりも厳格になり、対象時間帯に実際に走行した分のみが割引されるしくみへと大きく変更される。

これまでは一部でも時間内に引っかかっていれば全区間が割引されていたが、新制度では時間外に走行した距離や区間については通常料金が適用されるため、走行実態に応じたシビアな計算が行われるようになる。

これにより、いわゆる0時待ちと呼ばれる無理な時間調整の必要性はなくなるものの、ドライバーにとっては走った時間帯の分しか安くならないという大きな転換点を迎えることになるため、これまでとは異なる利用の仕方が求められる。

新しい割引の還元方法と長距離利用への配慮

新制度での割引は即時適用ではなく後日還元型となるため、事前にETCマイレージサービス等へ登録したカードでの走行が必要だ。いったん通常料金で精算され、翌月20日に割引分の還元額が付与されてその後の支払いに充当される。

新制度におけるもう一つの大きな変更点は、割引の適用方法が料金所での即時割引から、後日還元型の割引制度へと移行することだ。高速道路を走行して料金所を通過する際にはいったん通常料金が表示および請求され、後日になってから割引分が手元に還元される方式となる。

具体的には、ETCマイレージサービスへ事前に登録したETCカードや、大口多頻度割引で利用するETCコーポレートカードで走行する必要があり、走行月の翌月20日に還元額が付与されてその後の通行料金支払いに自動的に充当されるしくみだ。

また、走行分のみの割引へと変わることで長距離ドライバーの負担が急激に増えるのを防ぐため、400キロメートルを超える区間の「長距離逓減制(ていげんせい)」が拡充されるほか、1000キロメートル以上を走行した場合の激変緩和措置なども用意されている。

さらに、午後10時台に高速道路を流出する場合は割引率を約20パーセントにするなど、利用者の負担を平準化する工夫も取り入れられている。今後は出口の通過時刻だけでなく、割引時間帯にどれだけ走行できるかを考慮した綿密なドライブ計画が重要となりそうだ。