Ferrari 499P
粘り強いレースを展開した50号車

35万人超の大観衆が見守るなかで開催された第94回ル・マン24時間レースに、フェラーリは3台のハイパーカー「499P」を投入。ワークスチームのフェラーリ・AFコルセの50号車をアントニオ・フォコ、ミゲル・モリーナ、ニクラス・ニールセン、51号車をアレッサンドロ・ピエール・グイディ、ジェームス・カラド、アントニオ・ジョヴィナッツィ。サテライトチームのAFコルセ 83号車をイェ・イーフェイ、ロバート・クビサ、フィリップ・ハンソンがドライブする。
2023年からル・マン3連覇中のフェラーリだが、BoP(バランス・オブ・パフォーマンス=性能調整)の影響もあり、厳しい戦いが予想されていた。実際、ロングストレートでの最高速、シケインやテクニカルセクションの立ち上がり加速力が求められるサルト・サーキットにおいて、フェラーリはライバルから大きく遅れてしまう。
それでも、フェラーリは優れた燃料&タイヤ戦略もあり、499P 51号車と83号車がレース終盤までトップ5圏内で走行。2025年のチャンピオンクルーの51号車は、与えられたパフォーマンスを最大限に引き出し、5位でフィニッシュを果たし、フェラーリに貴重なポイントを持ち帰った。
厳しいレースを終えた50号車のカラドは、次のようにレースを振り返った。
「ル・マンには期待していましたし、正直ガッカリしています。それでもこの結果に満足すべきなのかもしれません。レースペース面で苦戦することは分かっていましたから……。私たちはできる限りのことをやりました。結果は5位でしたが、まだ改善すべき点はたくさんあります。次のブラジルで何ができるか、しっかり見極める必要があると考えています」
2連覇を狙った83号車は7位で完走

昨年のル・マンを制した83号車は、ほぼノーミスのレースを展開し、7位でレースを走り切った。一方、50号車は深夜0時を過ぎ、消火器交換のため緊急ピットインを余儀なくされ、27分ものタイムロスを強いられてしまう。さらに、夜が明けた段階で発生した電気系トラブルにより、レース続行を断念している。
2連覇を逃した83号車のイーフェイは、フィニッシュ後に落胆をあらわにした。
「昨年のレースで優勝しただけに、7位という結果には少し落胆しています。ただ、ここへ来る前から非常に厳しいレースウイークになることは分かっていました。決勝は全力で戦いましたし、チームもすべてをうまく遂行してくれました。クリーンなレースができたと思っていますし、それこそが重要です。その点については誇りに思っています」
フェラーリの耐久レーシングカー開発責任者を務めるフェルディナンド・カニッツォは、次のようにル・マン24時間レースを総括した。
「今回のレースに敗れましたが、私たちはチームとしての力を示しました。それが何より重要です。スタート前からここで競争力を発揮することはかなり難しく、勝利がほぼ不可能に近いことを理解していました。そして残念ながら、その現実は序盤の数周で明らかになりました」
「それでも私たちは最後まで戦い続けました。フェラーリの価値観とプランシングホースの精神を守りながら走り切ったのです。それが私たちにとって最も重要なことでした。フェラーリとはこういうチームです。そして私たちが本来持っている力を再び示せる機会が訪れることを願っています。ただ、今回の結果を受けて、これからも非常に厳しい戦いになることを予想しています」
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