開発は中国で行われ、若い中国人エンジニアが実施

CMに出演する広瀬アリスが登場
CMに出演する広瀬アリスが登場

開発は中国で行い、若い中国人エンジニアにより行われたというラッコ。市場調査も中国人エンジニアやスタッフで行われたそうだが、日本法人からの要望ももちろん採り入れられている。市場調査の一例でいえば、日本の長い梅雨を経験した開発陣が傘入れをセンターコンソール後方で用意したことだそうだ。

ミルクを保温する発想から誕生したホットカップホルダー
ミルクを保温する発想から誕生したホットカップホルダー

そのほか、赤ちゃん用のミルクを温め(保温)できるようにと、53℃のホットカップホルダーを最上級仕様に標準装備するなど、軽自動車トップクラスの多彩な収納に日本市場向けへの細やかな配慮がうかがえる。

まず、注目の価格だが、エントリーグレードで航続距離210kmの「BYD RACCO 200」は214万5000円。航続距離320kmの「BYD RACCO 300Plus」は、239万8000円。同じく航続距離320kmで最上級仕様の「BYD RACCO 300Premium」が249万7000円となっている。

CEV補助金は15万円で、それに加えて東京都など地方自治体独自の補助金を受けられれば、さらに実質支払い額が下がることになる。

BYDラッコのエクステリア
BYDラッコのエクステリア

最終的に車両価格が決まったタイミングは?

BYDラッコのリヤビュー

車両価格に関しては、社内でも最後まで熱い議論があったという。値付けのポイントは15万円というCEV補助金だそう。エントリーグレードの214万5000円から15万円を差し引くと199万5000円となり、200万円切りが実現。200万円切りというインパクトの大きさはやはり重要だったそうで、CEV補助金の金額が決まってから最終的な車両価格が決定したという。

BYDラッコのインパネ
BYDラッコのインパネ

ラッコの開発初期段階からコードネームではないだろうが、“チャイニーズカープロジェクト”を示すという車両価格200万円を目指す「CK 200」、車両価格300万円「CK 300」というキーワードがあったそうだ。

4WDの追加はある?

BYDラッコのフロントシート

また、デビュー時の駆動方式は全モデルFWD(前輪駆動)だが、日本の雪国で支持されている4WDの可能性に関しては、技術的には可能であり、将来的に4WDの設定についても検討しているという。

インパネシフトなどハードスイッチを残すように日本法人から要望したそう
インパネシフトなどハードスイッチを残すように日本法人から要望したそう

ただし、2WDモデルを日本の雪国でテストした結果、BEVならではの走破性の高さを確認済みだそう。これは、モーター駆動ならではの緻密な発進性などの制御のことだろう。一般的なガソリンエンジン車(ICE)の2WDよりもモーター駆動のBEVの方が、雪上などでの滑りやすい路面では有利な面であることは想像できる。

ラッコの派生モデルやラッコをベースとしたモデルをほかの市場に送り出す予定については、現時点では「ない」そう。

ホンダN-BOXのように後席座面のチップアップが可能

ラッコをベースとしたスモールカーを欧州に出す可能性は!?

後席前倒し時の段差は小さめ。後席はチップアップ、ダイブダウン、そしてスライドも可能
後席前倒し時の段差は小さめ。後席はチップアップ、ダイブダウン、そしてスライドも可能

ただし、1車種だけで完結するとは開発費用からも考えにくい。BYDの本社内ではヨーロッパ向けのスモール、コンパクトカーについて検討している模様。また、日本向けのラッコ以外の軽自動車、あるいはラッコの派生モデルなどに関しては、市場次第(売れれば)で検討する可能性もありそう。

後席足元のトレーに傘を置けば、水滴がフロアなどにしみこまずに済む
後席足元のトレーに傘を置けば、水滴がフロアなどにしみこまずに済む

日本の軽自動車規格向けに新開発されたラッコ。最も困難だったのは、BYDの既存のプラットフォームではなかなか対応できず、ゼロから開発した点。電子制御ユニット、DC/DCコンバーター、車載充電器、車両コントロールユニットを組み入れた「X-PACK」の開発はもちろん、プラットフォームの一部を電池に組み入れて(CTB=Cell to Body)、フロントのクラッシャブルゾーンの確保なども容易ではなかったようだ。

なお、BYDが新設計した「X-PACK」は、BYDが得意とするリン酸鉄リチウムイオンを用いたブレードバッテリーとCTB(Cell to Body)技術の統合方法を刷新した画期的な技術であり、現時点でほかのOEMメーカーに外販する予定はないという。

後席スライドは荷室側、リヤドア側の両方から可能
後席スライドは荷室側、リヤドア側の両方から可能