プラグインハイブリッド仕様「ATTO 2 DM-i」と、最高出力177psのシングルモーターEV仕様が有力視。

BYDジャパンが今秋にも日本市場へ投入するとみられるコンパクト電動SUV「ATTO 2」が注目を集めている。すでに欧州市場では販売が開始されており、日本では2026年10月頃の導入が有力視されている。

BYDはトヨタとの合弁会社「BYD TOYOTA EV TECHNOLOGY」を設立するなど、日本メーカーとの関係も深い。さらに近年は急成長を遂げ、2025年には世界EV販売台数でテスラを上回る実績を記録した。

BYD ATTO 2

ATTO 2最大の特徴は、その扱いやすいボディサイズにある。日本で販売されている「ATTO 3」よりひと回りコンパクトな設計となっており、“日本の道路事情に合ったBYD”として期待が高まっている。

ボディサイズは全長4310mm、全幅1830mm、全高1675mm、ホイールベース2620mm。ATTO 3よりコンパクトながら室内空間を確保している点が特徴で、欧州では都市型SUVとして展開されている。

BYD ATTO 2

このサイズは、トヨタ「ヤリスクロス」、ホンダ「ヴェゼル」、日産「キックス」などが属するコンパクトSUV市場に近い。SUV人気が続く日本市場においても、取り回しや駐車のしやすさを重視するユーザーとの相性は良さそうだ。

BYDといえば、今夏には軽自動車規格EV「RACCO(ラッコ)」の投入も予定されている。補助金適用後は200万円を下回る価格が予想され、小型EV市場への本格参入が注目されている。

一方のATTO 2は、日本市場で最も競争が激しいコンパクトSUVカテゴリーへの挑戦となる。

日本メーカーにとって脅威となりそうなのが価格競争力だ。BYDはバッテリーをはじめ主要部品を自社生産する垂直統合型のビジネスモデルを採用しており、高いコスト競争力を持つ。

欧州では約2万9000ユーロ(約460万円)から販売されているが、日本では補助金適用後に300万円前後となる可能性も指摘されている。実現すれば、国産ハイブリッドSUVとも十分競争できる価格帯となる。

特に若年層を中心に、中国ブランドへの抵抗感は以前より薄れつつある。「手頃な価格」と「十分な航続距離」を両立できれば、これまでEVに関心を持たなかったユーザーを取り込む可能性もあるだろう。

パワートレインは、7.8kWhバッテリーを組み合わせたプラグインハイブリッド仕様「ATTO 2 DM-i」と、最高出力177psのシングルモーターEV仕様が有力視されている。

長年、日本メーカーが強さを維持してきたコンパクトSUV市場。その中へ低価格かつ高性能な電動SUVが参入すれば、市場構図に少なからぬ影響を与える可能性がある。サービス網やブランド力といった課題は残るものの、ATTO 2は日本におけるEV普及の新たな起爆剤となるかもしれない。