20Gと25Gの間を埋める20RX登場!
さらに充実するTD06ファミリーの今
トラストが扱うタービンの代表格と言えば三菱TDシリーズ。中でも、超ロングセラーとなるTD06系の登場は日本のターボチューンがまだ手探り状態だった1980年代前半にまでさかのぼる。その後、絶えず進化を続けながらラインアップを拡大。エキゾーストハウジングのサイズで見ていくと、今では20/25G系で9機種、20RX系で5機種が揃い、幅広いタービン交換需要に応えている。

とりわけ、傑作と言えるのがTD06SH-25Gだ。同社でタービン開発に携わる小野さんの言葉がそれを証明する。

「上のパワーを伸ばすとか、下のトルクを厚くするとか、どこかの回転域にフォーカスするのは可能です。でも、全域で25Gを上回る性能を目指すとなると極めて難しい。これまで散々テストしましたけど、超えられませんでした。それくらい完成度の高いタービンだと思いますね」。
いまだに色褪せない一線級のパフォーマンスと卓越した全域特性。長年にわたって使い続けられるのには確固たる理由があるわけだ。

25Gのセンターカートリッジ(=コンプレッサーホイール)に、20Gのカバーを組み合わせることで誕生したのがTD06SH-25GC。25Gのエキゾーストハウジングは8.0/10.0/16.0cm2と3種類用意されるが、25GCは10.0cm2のみの設定となる。
25GC(右)と25Gのコンプレッサーハウジングを並べてみると、25GCの方がひと回り小さいことが分かる。ターゲットエンジンはVR38DETT。すでに20Gキットは存在していたが、Vバンク脇の狭いスペースに無理なくタービンを収めつつ、ピークパワーも伸ばしたい。それを実現するために25GCが開発された。

25Gと25GCにはエキゾースト&コンプレッサーホイールまで含めて共通のセンターカートリッジが使われる。「25Gは20Gに比べてタービンシャフトが太くなるんですよ」と小野さん。軸受けにはエンジンオイルでシャフトを浮かせ、冷却水を循環させる必要がないフローティングメタルを採用する。

自動車メーカーが純正採用するダウンサージングターボを始め、最新のタービンは排圧を落とす方向で設計されるのが一般的。小野さんいわく、「それに対して、三菱のタービンはむしろ排圧を上げていく設計。できるだけ低い回転域からタービンを回そうという意図が読み取れます。現状、コンプレッサー側のホイールを変えるしかありませんが、もしエキゾースト側もイジれるようになれば可能性は大きく広がりますよね」。

また、TD06シリーズの新ラインアップがTD06SH/S L2-20RX。20Gをベースとし、20Gと25Gの間の特性を狙って設計された。最大の特徴は5軸マシニングで切削されたコンプレッサーホイールの採用だ。
「その都度、型を起こさなければならなかった従来のキャスト品と違って、ブレードの面積や角度を微妙に変えるのにも柔軟に対応できるのが大きなメリット。何種類もの形状をテストした上で、バランス的に最も良かったものを製品化しました」と小野さんが振り返る。


左がアルミ合金から削り出された20RX、右がアルミキャストの20Gのコンプレッサーホイール。どちらもハーフブレードを採用するが、ブレード自体は20RXの方が薄く軽量な仕上がり。イナーシャが小さいため、特に低中回転域におけるレスポンスの面で有利に働く。また、ホイール自体の高さを増すことでブレード面積が拡大し、風量アップを実現。中高回転域のパワーは20Gに対して10%前後向上している。


もちろん、トラストではTD06系だけでなく、新型タービンのテストにも余念がない。TD09や、T88H-38GKをやや上回る風量のタービンがそれに該当する。
さらに、GReddy34RX(BNR34)に装着され、まずはRB26DETT用として開発が進むアクチュエーター式タービンも要チェック。ツインで800psオーバーという目標馬力が掲げられ、ゆくゆくはSR20DETなどへのシングル展開も検討されている。それも、既存のTZ系とは異なるシリーズになるようだ。
●問い合わせ:トラスト TEL:0479-77-3000
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