500馬力のRB25にパドルシフトまで装備!

レーシングカー並みのメカニズムと高級GTの快適性を両立!

名門チューナー“エスコート”で製作が進められているER34は、豪華なストリート仕様でありながら、サーキットでも高い性能を発揮する「ポルシェGT3」のような究極のスカイラインを目指した1台だ。自走で快適にサーキットへアクセスでき、現地では連続全開走行を楽しめるパッケージングを追求している。

オーナーは、Attack筑波への参戦やスーパー耐久での活躍でも知られる松本貴志さん。忙しい仕事の合間にもサーキット走行を楽しみたいという思いから生まれた、練習用兼レクリエーション用のマシンだ。

当初はボルトオン仕様のドリフト練習車として製作がスタートしたが、エスコートへの入庫後に構想が膨らみ、GT3をイメージしたサーキットコンセプトへと方向転換した。

製作を担当するのは、旧車のストリートチューニングからドラッグレース、タイムアタックまで、幅広いジャンルで高品質なマシンを手がけるエスコートの塩原さん。国内外のパーツや最新のチューニング事情に精通する同氏が、走行性能だけでなく、仕上がりのクオリティにも徹底的にこだわっている。

その象徴ともいえるのが、あえてRB26へ換装せず、RB25をベースに徹底的に作り込むエンジンだ。東名パワードの2.8Lキットとフル加工を施したシリンダーヘッドを組み合わせ、純正NVCSを活かせるワンオフカムを装着。過給機にはギャレット製G35タービンを採用し、エンジン制御はMoTeC M150が担う。

本来なら800psを引き出すことも可能な構成だが、目標出力はあえて500ps前後に設定。季節を問わずサーキットで連続全開走行を楽しめるよう、十分な安全マージンを確保するためだ。最高出力を追い求めるのではなく、耐久性や扱いやすさまで含めたトータルバランスを重視している。

ちなみに、取材時にエンジンルームへ搭載されていたのは、補機類のクリアランスを検証するためのダミーエンジン。CPC製カーボンサクションやツインウエストゲート、オルガンペダル用マスターシリンダー、ボッシュ製ABSユニットなどの配置を確認しながら、本番用エンジンの製作が進められている。

「本物を超えるニセモノ」。RB25を徹底的に作り込み、GT-R以上のクオリティを目指すこのマシンについて、塩原さんはそう表現する。

駆動方式はER34本来のFRを維持しながら、トランスミッションにはオーストラリアのアルビンス製ドグ式シーケンシャルを採用。さらに、液圧制御によるパドルシフトを組み合わせることで、現代のレーシングカーさながらの操作性を実現する。

パドルシフトには、削り出しのスイッチユニットにトヨタ純正のパドルを組み合わせる予定。接続方式もケーブル式ではなくコネクター式へと変更する。シフトレバーが不要になるセンターコンソールには、各種スイッチ類を機能的にレイアウトする。

電子制御系の作り込みも徹底している。助手席エアバッグの搭載スペースを加工してMoTeC M150を収め、ロガーやパドルシフト用の制御ユニットなども追加。高性能な制御システムを、インテリアの雰囲気を損なわないようスマートに組み込んでいる。

そして、メカニズム以上に驚かされるのが、インテリアの仕上がりだ。ダッシュボードからセンターコンソール、ドア内張りに至るまで、高品質なアルカンターラで張り替えられている。施工を担当したのは、GT-Rのインテリアメイクでも定評のあるロブソンレザー。レーシングカーに求められる機能性と、高級GTのような上質な質感を融合させている。

シートにはレカロRMSを採用し、シェルもカーボン製を選択。ドア内張りなどのステッチカラーに合わせて、純正の3点式シートベルトもオレンジへと変更されている。

一方、サーキット走行に必要な安全装備も抜かりない。ロールケージはサイトウロールケージ製をベースに、ダッシュボードを貫通するレイアウトを採用。リヤにはクロスバーも備える本格的な仕様だ。今後はリヤシートを撤去し、カーボンパネルで仕上げたうえで、2名乗車登録へ変更する予定となっている。

さらに、エアコンなどの快適装備を残しながら、パワーステアリングにはボッシュ製のレース用システムを採用。速さと快適性を両立するというコンセプトは、細部に至るまで貫かれている。

トランクルームにも、細かなこだわりが詰め込まれている。コレクタータンクを追加するとともに、フロアの一部を加工してデフクーラー用の冷却ファンを設置。さらに、これらの機器を保護しながら荷物も積めるよう、ワンオフのドライカーボン製リッドまで製作している。

追加したメカニズムをむやみに露出させることなく、実用性と上質な仕上がりを両立させる。こうした配慮も、このER34ならではのこだわりだ。

足まわりにはオーリンズ製ダンパーを採用し、実車に合わせたセッティングを進める予定。フロントスタビライザーにはレーシングパーツを流用し、専用ブラケットもワンオフで製作される。

エクステリアも、GT-R純正パーツや本物のニスモZ-tuneパーツを投入し、GT-Rスタイルへと刷新。見た目はGT-Rを思わせながら、メカニズムはRB25改2.8LエンジンとFRレイアウトという独自の構成を貫いている。

パワーだけを追求すれば800psも視野に入るエンジンを、あえて500ps前後に抑え、サーキットでの連続全開走行に備える。その一方で、インテリアの質感や快適装備、さらには荷物の積載性にまで徹底的にこだわっている。

単に速いだけでも、豪華なだけでもない。日常からサーキットまで高い完成度で楽しめる、ポルシェGT3のようなスカイライン。エスコートが目指す「本物を超えるニセモノ」が、どのような走りを披露するのか。完成が待ち遠しい1台だ。

●取材協力:エスコート埼玉 埼玉県戸田市笹目4-19-4 TEL:048-421-9443

「“毎日乗れる旧車”を作りました!」350馬力のDR30スカイラインと歩むリアルなカーライフ

高性能ながら、点火系やアイドル制御などに弱点を抱えていたFJ20。そこで現代の制御技術を投入し、ダイレクトイグニッション化やDジェトロ化を実施。2.1L+GT-SSで350psを引き出しながら、日常域での快適性まで追求した。

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エスコート
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