走りも耐久性も諦めない!
旧車に最新ミッションという新提案
ハコスカ(KGC10)にOS技研のFR車用シーケンシャル7速MT、『OS-FR7』を搭載する。そんな話を聞きつけて、岐阜の名門チューニングショップ“グローバル”に足を運んだ。

鮮やかなブルーメタリックのボディは、てっきり全塗装されたものかと思いきや、実は純正色とのことで驚かされた。また、取材時は入庫に合わせて取り外されていたものの、普段は『シャコタン☆ブギ』に登場するジュンちゃんのハコスカを彷彿とさせる、ワークスオーバーフェンダー仕様だという。

エンジンは、オートサービスワタナベ製89φピストンと芯間140mmのコンロッド、LD28改クランクシャフトを組み合わせたL28改3.1Lのフルチューン仕様。シリンダーブロックにはラインボーリング加工が施され、クランクキャップのサイズアップも図られている。
ヘッドには亀有エンジンワークス製の77Gカムシャフトと、IN46φ/EX38φのバルブを組み込み、バルブスプリングも1万rpmに対応する強化品へと交換。燃料供給は、3連装されたソレックス50φキャブレターが担う。

また、デフは純正のR180からR200へとサイズアップ。L型フルチューンエンジンのパワーを余裕を持って受け止め、耐久性も高める定番メニューだ。「これは定番チューンやね」と、グローバル代表の永井さんも話す。
組み合わされるミッションは、本来なら5速MTのFS5W71B型だが、このクルマは71C型に換装して乗られてきた。今回、ミッションの載せ換えに至ったきっかけは、鈴鹿サーキットの走行会に参加したことだった。

「おそらく、鈴鹿を走って物足りなく思ったんでしょう。すぐにオーナーから『OS技研の7速シーケンシャルを載せたい』というリクエストがありましてね。じゃあ、やってみましょうかと」。グローバル代表の永井さんが、そう経緯を話してくれた。
ちなみに、OS技研では約25年前に、すでに6速シーケンシャルMTの「OS-88」を発売していた。ただし、こちらは第2世代GT-Rのドラッグ仕様を主なターゲットとしたもの。それに対し、多くのFR車に対応する汎用ミッションとして新たに開発されたのが、今回搭載するOS-FR7を含むOS-FR5/6/7シリーズだ。


そのメカニズム上の特徴のひとつが、シフトフォークの作動機構。溝を刻んだドラム状のシャフトとシフトフォークを組み合わせる構造を採用することで、パーツ点数を抑えながらトラブルの低減も図っている。また、ドグ部分の上面と側面に5度の傾斜を設けることで、スムーズなシフトチェンジを可能にするとともに、不用意なギヤ抜けを防ぐ設計となっている。

取材で訪れたときは、すでに71C型ミッションが降ろされ、ミッションジャッキに載せたOS-FR7をフロアに当てがいながら、干渉する部分の確認や各部の採寸を行っているところだった。永井さんが説明する。
「ミッションケースの幅があるもんで、センタートンネルは加工が必要。それと、マウント類やプロペラシャフトはワンオフで対応やね」。

室内もシートやセンターコンソールが取り外され、まさに作業の真っ最中といった雰囲気。ミッション換装後は、シフトレバーの位置調整なども必要になる。また、メーターについてはスタック製のオールインワンタイプを装着する案があり、今後、オーナーと相談しながら決めていくという。
車速をどのように検出するかも、課題のひとつだ。71B型や71C型では、ワイヤー式のスピードケーブルがミッションケースに接続されるが、OS-FR7は当然ながら、その方式には対応していない。そこで、車軸周辺にセンサーとピックアップを追加し、タイヤの回転から車速信号を取得する方法が検討されている。
そして、クラッチにも変更点がある。これまでと同様に、小径Aタイプディスク(184φ)を採用したOS技研製メタルツインプレートを組み合わせるが、今回はセンターハブタイプを採用する。というのも、ミッションのメインシャフト先端のスプライン形状の関係で、各ディスクにハブを持つタイプでは、奥側(エンジン側)のディスクがスプラインに十分な深さまで噛み合わなくなってしまうからだ。
これから本格的な作業が始まり、完成までは約2ヵ月を見込んでいる。多段化によってギヤ比をクロス化できるため、エンジンのパフォーマンスをより引き出せることは間違いないだろう。
さらに、OS-FR7への換装によって、パーツ供給を含めたOS技研の手厚いサポートも受けられるようになる。少なくとも、部品が入手できず、メンテナンスや修理に困るという、旧車オーナーが頭を悩ませがちな事態を避けやすくなるはずだ。

ちなみに、グローバルのファクトリーではもう1台、GC10ハコスカの作業も進められていた。こちらはL型ではなくRB26DETTを搭載した仕様で、赤い結晶塗装が施されたヘッド&フロントカバーやサージタンクが目を引く。タービンはブラジルのマスターパワー製シングルで、ベースはギャレットと思われるもの。前置きインタークーラーやアルミ製ラジエターなどもセットされ、ハード面はほぼ完成。あとはECUセッティングを待つような状況だった。
旧車に最新ミッションを組み合わせるメリットは多い。走行性能の向上はもちろん、部品供給やメンテナンス面での安心感も得られる。走りを追求しながら、長く乗り続けるための選択肢として、こうした最新ミッションへの換装は今後ますます注目されそうだ。
⚫︎取材協力:グローバル 岐阜県羽島郡岐南町平成2-105 TEL:058-374-8838
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グローバル
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