エアロ+足周りでハイをさらにスポーティに!【スズキ・ハイR】

SUZUKI ハイR|1987年発売
1987年(昭和62年)に登場したハイRは、1985年発売のハイをベースにスポーツ性をさらに高めたバリエーションモデル。フロントには大きくえぐられたブリスターフェンダーを採用し、フロントカウル、アンダーカウル、リヤスポイラーまで装着。ベース車よりひと目で“走り寄り”と分かるスタイルへ仕立てられている。
灯火類にもひと工夫あり、ヘッドランプにはイエローバルブ、リヤコンビネーションランプやウインカーにはスモークレンズを採用。さらに前後80/90-10の偏平タイヤを履いて深いバンク角を実現(ハイのタイヤは、前2.75-10・後3.00-10サイズ)。そして大きく異なるのがフロントの足周り。制動時の操縦安定性を高めるANDF※も装備するなど、見た目だけでは終わらない内容となっている。
エンジンは、49cc空冷2ストローク単気筒で、最高出力6.5ps。ハイが持っていた軽快な走りに、エアロパーツと足周りのスポーツ装備をプラスし、スポーツスクーターとしてキャラクターをさらに鮮明にした。
当時はスズキ系イベント「JAJA-CUP」など、メーカーを巻き込んだミニバイクレースも盛んだった時代。ハイRも6.5psエンジンや長めのサスペンションストローク、リンク式リヤショックなどを備え人気を集めた。
※ANDF(Anti Nose Dive Fork=アンチ・ノーズ・ダイブ機構式フロントフォーク)
制動時の前沈み現象を防止することで、車体姿勢や操縦安定性を向上する機構を装着したフロントフォーク。1979年のGPマシンRGB500で培った技術を市販車に投入したのが始まり。
総排気量:49cc
エンジン:空冷2ストローク単気筒
最高出力:6.5ps/6500rpm
最大トルク:0.72kgm/6000rpm
全長×全幅×全高:1595×615×985mm
重量:53kg(乾)
タイヤ:前80/90-10/後80/90-10
発売当時価格:12万9000円
カウルで覆った未来派! 6.5ps+前ディスク【スズキ・モードGT】

SUZUKI モードGT|1987年発売
モードGTも1987年(昭和62年)に登場。最大の特徴は、フロントからリヤまで曲線基調のカウルで覆った独特のスタイリングにある。当時としてはかなり未来的で、車名の「GT」にふさわしい高級感も意識した仕上がりとなっていた。
中身もかなり凝っている。新設計の49cc空冷2ストローク単気筒エンジンは、シリンダーを水平に配置するレイアウトを採用し、最高出力6.5psを発揮。Vベルト無段変速との組み合わせで、滑らかさと力強さを両立。後にこの水平レイアウトエンジンは、スクーターのスタンダードとなる。
足周りにはテレスコピック式フロントフォークを採用し、前輪には油圧式ディスクブレーキを装着。後輪は3.50-10と太めのサイズを組み合わせ、乗り心地、操縦安定性、制動力までしっかり手を入れた構成となっている。
カウルで覆った個性的なスタイルだけではなく、走りの装備まできっちり揃える。見た目の未来感とGTらしい走行性能を両立したところが、モードGTならではの個性だった。しかし、凝りに凝ったため車両価格が高額になってしまったのも事実。そのため流通台数も少なく、中古車市場では稀少車として扱われている。
総排気量:49cc
エンジン:空冷2ストローク単気筒
最高出力:6.5ps/6500rpm
最大トルク:0.72kgm/6000rpm
全長×全幅×全高:1700×665×1080mm
重量:66kg(乾)
タイヤ:前3.00-10/後3.50-10
発売当時価格:17万5000円
“メットイン”をスズキにも! 初代アドレス登場【スズキ・アドレス】

SUZUKI アドレス|1987年発売
そして1987年(昭和62年)11月に登場したのが初代アドレス。後に「アドレス」は、スズキを代表するスクーターシリーズへ成長していく、その出発点となったモデルである。
大きなトピックは、シート下に設けられた「パーソナルスペース」。フルフェイスヘルメットを収納できる多目的スペースで、内部には照明まで装備。スズキのスクーターにもシート下収納という新しい使い勝手を持ち込み、日常での便利さを大きく高めている。
いっぽう、実用性だけに振ったわけではない。スリムな「スポーティーアートフォルム」の車体に、最高出力6.5psの49cc空冷2ストローク単気筒を搭載。Vベルト無段変速との組み合わせで、滑らかな加速とスポーティな走りを実現している。フロントバスケットをはじめ、専用オプションも19点用意され、あらゆるニーズに対応しようという姿勢が感じられる。
イメージキャラクターには本木雅弘を起用。CMではアドレスで街を走ったあと、ヘルメットをシート下へ収納し、スーツ姿へ変わる演出も使われた。若者向けスポーツ一辺倒とは少し違う、都会的でスマートなイメージを打ち出したモデルでもあった。
そして翌1988年には、最高出力7.0psやフロントディスクブレーキなどで走りをさらに強化した「アドレスチューン」が登場。初代アドレスが持っていたスポーティな素性は、より若者寄りのホットモデルへと発展していくことになる。
総排気量:49cc
エンジン:空冷2ストローク単気筒
最高出力:6.5ps/6500rpm
最大トルク:0.73kgm/6000rpm
全長×全幅×全高:1675×610×1015mm
重量:62kg(乾)
タイヤ:前2.75-10/後3.00-10
発売当時価格:13万9000円
※この記事は月刊モトチャンプ2025年12月号を基に加筆修正を行っています
【モトチャンプ編集部】