旧車の味を守りながら走りと快適性を進化させる

L28改3.2L×電子制御でケンメリの可能性を広げる!

幅広いチューニングを得意とする“プライムガレージ”だが、長年にわたって活動を続けてきた地域密着型のショップという側面も強い。近年は、昭和の旧車をイチからリフレッシュし、現代の道路環境でも快適に楽しめるレストモッド仕様に仕上げてほしいという依頼が増えているという。

プライムガレージが目指すのは、ベース車が持つ魅力を活かした王道スタイルを守りながら、現代の技術や機能を取り入れること。現在、製作が進められているこのケンメリも、まさにその考え方を体現した一台だ。

シャーシからフルリフレッシュされたボディは、外観こそ定番のGT-Rルックだ。インテリアもダットサンコンペのステアリングや、ショルダーサポートを持たないオートルックタイプのバケットシートを組み合わせ、当時の走り屋を彷彿とさせるスタイルに仕上げられている。

一方で、電動パワーステアリングやエアコン、Bluetooth対応のコンチネンタル製オーディオなど、現代のドライブに欠かせない快適装備も採用。クラシックな雰囲気を損なうことなく、日常使いでの快適性も高めている。

シャーシはレストアと同時に補強が施され、純正以上の剛性を確保。足まわりには調整式アームを組み込み、要所をピロボール化することで、現代の高性能タイヤにも対応できる仕様を目指している。さらに、フロントブレーキにはスターロード製の4ポットキャリパーキットを投入し、制動性能も向上させている。

そして、パワーユニットの主役となるのが、カメアリ製パーツを中心に組み上げられたL28改3.2Lエンジンだ。エンジン本体の組み立てはすでに完了しており、現在は補機類の仕様を検討している段階。燃料供給には6連スロットルを組み合わせたインジェクション方式を採用し、LINKのフルコンによる電子制御を導入する計画だ。

制御の要となるクランク角センサーには、海外メーカーと共同開発したプライムガレージのオリジナル品を使用する。LINKのECU本体やスロットルの具体的な仕様については、過去の製作車両で使用したパーツを参考に選定を進めているという。目標出力は330〜350ps。トランスミッションには、シルビア用6速MTの流用も検討されている。

「我々の世代は、黎明期のキャブチューンと、その後の電子制御時代の両方を経験し、パーツの進化を肌で感じてきました。レストモッドの基本は、最新の技術やパーツを取り入れながらも、旧車ならではの味わいを損なわずに仕上げることだと思っています」

そう語るのは、プライムガレージの瓜生さんだ。

また、旧車のレストアでは、外観だけでは分からない部分の仕上げにも力を入れている。取材時には、別のハコスカの内装張り替え作業も進められていた。提携する専門職人が純正に近い質感の生地を探し、シート内部のクッションやスプリングまで補修。フロアには純正と同様の手法で制振用フェルトを敷き詰め、その上からファブリックを張り込むなど、細部に至るまで徹底した復刻作業が行われていた。

旧車ならではの魅力を守りながら、走行性能や快適性、そしてクルマとしての完成度を現代の水準へと引き上げる。プライムガレージが提案するレストモッドは、単なる性能向上にとどまらず、名車をこれからも長く楽しむための新たな選択肢と言えるだろう。

●取材協力:プライムガレージ 福岡県北九州市小倉南区葛原東3-3-5 TEL:093-473-2338

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