Zenos E10 rZ

軽量化と内燃機関への強いこだわり

公道走行可能なすオープンスポーツ「ゼノス E10」のエクステリア。
近年のスポーツカーが電動化、デジタル化されるなか、ゼノスは徹底的な軽量化と内燃機関に強くこだわった。

英国ノーフォークを拠点とする軽量スポーツメーカー「ゼノス・カーズ(Zenos Cars)」。経営不振で2017年に倒産するも、その後ACカーズの傘下に入り、2025年に初代「E10」大幅アップデート仕様と共に復活を宣言している。その復活から1年、最新量産仕様となる2027年型「E10」を公開した。

2025年に公開された仕様から、車両全体にわたって数多くの改良を施した2027年型は、高いパフォーマンスと先進的なエンジニアリングを両立。従来モデルのコア技術を維持しながら、加速性能、ハンドリング、制動力向上にターゲットが掲げられた。軽量化と純粋なガソリンエンジンにこだわり、2種類のターボモデルはいずれも驚異的なパワーウェイトレシオを実現している。

ボディ全体にカーボンファイバー製コンポーネント採用。カーボンファイバー製モノコックと押出成形アルミニウム製シャシーを組み合わせたことで車両重量はわずか790kg。肥大化してドライビング感覚に乏しい現代的なスポーツカーに対するアンチテーゼである。

E10シリーズは限られた台数を、英国・ノーフォークのファクトリーにおいて製造。英国では公道走行仕様とサーキット専用仕様を選べるほか、右ハンドルと左ハンドルをラインナップする。価格はハイパフォーマンス仕様の「E10 rZ」は12万9900ポンド(約2700万円)、ベースモデルの「E10 r2」は11万5900ポンド(約2400万円)となる。すでに受注を開始しており、デリバリーは2027年第2四半期を予定している。

2種類のパフォーマンスレベルを展開

公道走行可能なすオープンスポーツ「ゼノス E10」のエクステリア。
最高出力380PSのハイパフォーマンス仕様「E10 rZ」、ベースモデルの「E10 r2」をラインナップする。

ゼノスは多くの革新的技術と、軽量で高性能なスポーツカーを生み出してきた英国の伝統を礎として誕生した。先進的なシャシー設計、最先端の製造技術、最新のパワートレイン技術を活用。現在も英国・ノーフォーク州を事業の拠点とし、サーキットや公道を問わずに高いパフォーマンスを発揮するスポーツカーを開発・製造する。

2014年に登場した初代「ゼノス E10」は、伝統的な技術思想に新素材や新しいアプローチを融合させ、英国製軽量スポーツカーに新しい風を吹かせることになった。今回、復活を遂げた2027年型「E10」では各部を全面的に見直し、新たな改良を加えるとともに、スタイリングを刷新し、エンジンラインナップも新たにした。

ハイパフォーマンス仕様「E10 rZ」に搭載される2.0リッター直列4気筒ガソリンターボエンジンは、6000rpmで最高主力380PS、3000〜4500rpmで最大トルク510Nmを発揮。重量は790kgなので1t当たりの出力は480PSに達する。ベースモデルの「E10 r2」に搭載される2.3リッター直列4気筒ガソリンターボエンジンは、最高出力300PS、最大トルク425Nmというスペックが与えられた。

パワーユニット、6速MTを含めた重量物は、すべて前後アクスルより内側のホイールベース間に配置。フロントには独立懸架型サスペンションを採用し、プッシュロッド式と車体内側に配置したダンパーを組み合わせることで、空気抵抗を低減するとともにばね下重量を大幅に抑制している。

リヤサスペンションは、一般的なコイルオーバー式ダンパーをエンジンとギアボックスを支持する押出成形アルミニウム製サブフレームに直接取り付けた。リミテッドスリップデフ(LSD)も標準装備。ギヤリンケージ機構もアップデートされ、より素早く正確なシフトチェンジが可能になった。

ボディとモノコックにカーボンを採用

公道走行可能なすオープンスポーツ「ゼノス E10」のエクステリア。
ゼノスは生産仕様へのアップデートに際して、ボディワークとセンターモノコックにカーボンファイバーの使用を決定した。

次世代の公道・サーキット向けスポーツカーを開発するにあたり、ゼノスは2027年型「E10」のボディワークとセンターモノコックにカーボンファイバーを採用することを決定。軽量化とパフォーマンスの向上に貢献するこの変更により、E10は新たなレベルへと進化を遂げている。ボディパネルはペイント仕上げのほか、カーボンを露出されるハイグロス仕上げ、さらに複数の専用仕上げが用意された。

フロントセクションには、デイタイムランニングライト、ウインカー、ロービーム、ハイビームを一体化した新設計のヘッドライトユニットを採用。新形状のダクトによってフロントブレーキの冷却性能を高めるとともに、ラジエーターパッケージも改良し、エンジン本体の冷却系とターボ用インタークーラーを分けて搭載する。

サイドスカートの形状も変更し、フロントホイール後方とリヤホイール前方にはウイングレットを配置。これにより、サイドビューの印象を大きく変えるとともに、車両全体の空力性能を最適化した。

豊富に用意されたエクステリアカラー

公道走行可能なすオープンスポーツ「ゼノス E10」。
コクピットに改良が施され、スイッチやシートをアップデート。豊富な標準エクステリアカラーに加えて、オーダーメイド仕上げも選ぶことができる。

キャビンにもデザインと人間工学の両面で改良が施された。最新世代のドライバーディスプレイを備えた新しいダッシュボードに加え、耐候性を備えた新設計のスイッチ類を導入。これにより、レーシングカーに着想を得た「AIMS PMU」システムの搭載が可能になった。

シートはゼノス社内で新たに開発したカーボンファイバー製シートを標準装備し、ボディカラーに合わせたトリムパネルを組み合わせた。フロントウインドウは、ワイパー付きフルサイズフロントウインドスクリーン、またはレーシングカーを思わせるウインドディフレクターパネルから選択することができる。

従来モデルと同様、大型のアルミニウム押出成形材を主骨格として使用。これにより、シャシーに優れたねじり剛性を持たせるとともに、カーボンファイバー製モノコックとフルカーボンファイバー製ボディパネルを採用し、車両重量を最小限に抑えている。

前後トレッドは初代から拡大され、走行安定性とハンドリング性能が向上。さらに重心高もわずかに低下している。また、ブレーキシステムにも大幅な改良を実施。新たに大径ブレーキローター、4ピストンキャリパー、ブレーキパッド、マスターシリンダーを搭載し、制動力とブレーキペダルの操作感を大きく向上させた。

標準ボディカラーは、メタリック仕上げの「レースホワイト」「ニトロブルー」「ボルケーノレッド」「ミッドナイトブラック」「スクリーミンググリーン」「ファイアバーストイエロー」をラインナップ。また、顧客の希望に応じたオーダーメイドの仕上げもチョイスすることができる。

復活を果たしたゼノス・カーズは、2026年初頭から「E10 RZ」の生産をスタートする。

復活したゼノス・カーズ、最高出力385馬力の超軽量カーボンバスタブ「E10 RZ」を2026年から生産開始

英国のゼノス・カーズは、ライトウェイトスポーツ「E10」のアップデート仕様「E10 RZ」を発表した。フルカーボンファイバー製ボディワークにより車両重量790kgを実現、最高出力385PSを発揮する2.0リッター直列4気筒ターボを搭載する。E10 RZは2026年初頭にも生産を開始する予定だ。