「ソリッド&ジェントル」がテーマ。50ccでも大人っぽさを追求

ロングシートや幅広のフロアーなど、ゆったりと乗れる車体づくりもリードの特徴。50ccながら落ち着いた雰囲気を持つ。

HONDA リード|1998年発売

上品な外観と落ち着いた乗り味が好評だったリードは、1998年にフルモデルチェンジ。「ソリッド&ジェントル」をデザインコンセプトに、シャープさを持たせながらも、大人のスクーターにふさわしい落ち着いた外観へと生まれ変わった。

同じホンダの50ccでも、Dioが若々しく軽快なキャラクターなら、リードが狙ったのはもう少し上質な世界。座り心地を重視したロングシートに幅広のフロアステップを備え、フレームの車体剛性も従来モデルから20%向上。さらにテレスコピック式フロントサスペンション、新デザインの前後アルミキャストホイールを採用し、見た目だけでなく乗り味までしっかり作り込まれていた。

リードらしさを語るうえで欠かせないのが、シート下収納を備えた実用性の高さだ。大柄な車体はゆったりした乗り味だけでなく、日常で使いやすいパッケージにもつながっていた。通勤や買い物など毎日の足として使うことを考えると、この“上質さ+実用性”の組み合わせこそ、リードならではの強みだった。

そして、この世代では兄弟車としてリード100も同時に登場。従来のリード90から排気量を拡大した101ccエンジンを搭載しており、50ccのリードと原付二種のリード100は共通イメージのスタイリングが与えられ、ひとクラス上を思わせる車格感を持っていた。

Dioよりホイールベースが110mm長い! 数字にも表れるゆったり感

ホイールベースは1255mm。Dioの1145mmに対して110mm長く、真横から見るとその伸びやかな車体構成がよくわかる。

その違いは数字で比べるとわかりやすい。同時期のDio ZXのホイールベースが1145mmなのに対し、リードは1255mm。その差は実に110mmもある。

リードの全長は1795mm、車両重量は91kg。コンパクトさを武器にする50ccスクーターとして考えれば、かなり堂々としたサイズだ。ホイールベースが長いぶん、キビキビ向きを変える軽快さ一辺倒ではなく、直進時やゆったり走る場面で安定感を感じさせるキャラクターにつながっている。

エンジンは、49cc空冷2ストローク単気筒で、最高出力5.9ps。数値だけならスポーツ系スクーターのような刺激を狙ったものではないが、中・低速域で扱いやすい出力特性を採用。7.5Lという50ccとしては大きな燃料タンクも備えて給油回数も減らせるなど、毎日の足としての実用性もしっかり考えられていた。

国内初の排ガス規制対応&コンビ・ブレーキも採用

1998年型リードの進化は、車格やデザインだけではない。新たに導入される二輪車排出ガス規制に、国内の二輪車として初めて適合。マフラー内部に酸化触媒を設け、キャブレターも改良することで排出ガスを低減した。リード50は同年10月から施行される騒音規制にも対応している。

さらに、フォーサイト250で好評を得た左ブレーキレバーを操作すると前後輪へ制動力を配分する「コンビ・ブレーキ」を新採用。フロントには油圧式ディスクブレーキを備え、センタースタンド・ロックイン機構や強化タイプのコンビネーション&ロックスイッチなど、日常で使うスクーターとしての装備も充実していた。

派手な速さではなく、質感、乗り心地、安心感、実用性を積み上げる。そんなリードらしい方向性は、この1998年型ですでにはっきりしていた。そして「LEAD」の車名は、現在販売されているリード125にも受け継がれている。排気量もエンジンも大きく変わったが、“毎日使える上質な実用スクーター”という立ち位置には、どこか通じるものがある。

【SPECIFICATIONS】

総排気量:49cc
エンジン:空冷2ストローク単気筒
最高出力:5.9ps/6750rpm
最大トルク:0.65kgm/6000rpm
全長×全幅×全高:1795×680×1060mm
ホイールベース:1255mm
重量:91kg
シート高:660mm
タイヤ:3.50-10・3.50-10
燃料タンク容量:7.5L
発売当時価格:20万8950円(税込)

※この記事は月刊モトチャンプ2025年12月号を基に加筆修正を行っています

【モトチャンプ編集部】