フロント2輪、リヤ1輪というスタイルを持つ、量産車世界初の傾斜式3輪スクーターとして2006年に誕生したピアジオMP3。登場以来世界中の都市でアーバンモビリティに革命をもたらし、安全性、安定性、快適性の新たな基準を打ち立て、スクーターの概念を塗り替えた。世界中で成功を収め、特にフランスでは15万台以上が販売されている。

フラッグシップモデルの530エクスクルーシブ
高級セダン並みの装備が充実

MP3はピアジオとマラベーゼデザインが開発した三輪機構を採用し、全く新しい乗り物として誕生した。独自のサスペンションシステムによって連結された2つの独立したフロントホイールが、コーナリング時には傾斜して路面を捉える仕組みによって、これまでのスクーターやオートバイでは想像できないレベルでの安全性を実現。また、優れた積載能力や高い保護性能、そして路面追従性や制動性能に裏打ちされた安全性によって、都市環境でアクティブに生活する人々にとって理想の乗り物となった。

ピアジオMP3は新たな市場セグメントを切り拓き、これまでの累計販売台数は25万台を超えている。ヨーロッパでは自動車の運転免許で乗れる国が多いため、実用的で安全な移動手段として自動車ドライバーから選ばれている。

20年にわたる歴史の中で、MP3は技術面とデザイン面の両方で絶えず進化とアップデートを続けてきた。当初は250ccモデルとして開発されたが、その後は性能と排出ガス規制に対応して多様なエンジンを搭載したモデルが登場している。初代モデルは250cc単気筒の通称クォーサーエンジンを搭載したモデルと、125ccの通称リーダーエンジンを搭載したモデルを発売。2007年には400ccのマスターエンジンを搭載したモデルが追加。同年には500ccのマスターエンジンを搭載したモデルが発表されているが、北米以外ではジレラ・フォコとして販売された。2011年には300cc、2014年にはフルモデルチェンジされ、MP3として500ccエンジンモデルが追加。2018年には350ccエンジンも追加され、2022年に第3世代となった現行モデルでは310cc、400cc、530ccというラインナップになっている。ちなみに2009年には世界初のハイブリッド・パワートレーンも搭載。125ccのリーダーエンジンと電動モーターを組み合わせ、ハイパワーで低燃費を実現させた。

310ccエンジン搭載の標準モデル。
扱いやすくスマートなスリーホイラー。

フレームをはじめとするシャシーも、より厳格化する基準を満たすべく、継続的に改良が加えられた。また、高度なアクティブセーフティシステムやライダー支援システムが導入され、時代と共に進化を遂げてきた。3チャンネルABSに加え、全てのMP3にASR(アクセラレーション・スリップ・レギュレーション/トラクションコントロール)が標準装備。このシステムはピアジオがスクーターとして初めて導入したもので、濡れた路面や滑りやすい状況下で、後輪のスリップを防いで安全性を確保する。ARAS(先進ライダー支援システム)を搭載したのもMP3がスクーターとしては初めてで、4Dレーダーイメージング技術を基盤としたライダー支援プラットフォーム。MP3シリーズのフラッグシップモデル「530 hpe Exclusive」にはクルーズコントロールやバックカメラなど、高級セダン並みの装備が採用されている。

高級セダンに導入される最新の技術、デザイン的な革新は、常にMP3の進化における基準となってきた。現在のMP3にはフルLEDライティングシステムが採用される他、インストルメントパネルにはフルカラーTFTディスプレイが採用され、あらゆる情報が表示される。さらにキーレスエントリーシステムも搭載している。最新のMP3には「MIAシステム」を搭載し、走行中も常にデジタル環境との接続を維持している。このシステムによってライダーはスマートフォンの機能を車両のディスプレイで確認できるほか、ライディグ体験をより一層充実させることが可能。

「先見の明を持った賭け」とも言われたデビューから20年。ピアジオMP3はさらに魅力的な乗り物へと変貌を遂げた。

サスペンションを強化するなどスポーティな装備の310Sporrts