Q. ブレーキは普通に効いているのに、フルードも定期交換しなきゃダメ?
千葉県:ブレーキは効いてますさん
愛車に乗り始めて3年ほど経ちますが、ブレーキフルードは一度も交換していません。リザーバータンクの液量も問題なさそうですし、ブレーキの効きにも不満はありません。それでも交換したほうが良いのでしょうか?
A. 液量が正常でも交換は必要! 目安は2年ごと、その理由は水分だった

ブレーキパッドなら残量を見て交換時期を判断できますが、ブレーキフルードはちょっと厄介。液量が十分にあり、普段どおりブレーキが効いていても、内部では劣化が進んでいることがあるんです。
そもそもブレーキフルードは、ブレーキレバーやペダルの操作による油圧をキャリパーへ伝えるための液体。ところが、一般的なバイクに使われるDOT4などのブレーキフルードには、空気中の水分を吸収する性質があります。使っているうちに少しずつ水分が混入し、本来の性能が低下していくというわけです。
では、水分が増えると何が問題なのでしょうか? 最大のポイントは、ブレーキフルードの沸点が下がってしまうこと。ブレーキを使うとパッドとディスクローターの摩擦によって熱が発生し、その熱がブレーキフルードにも伝わります。水分を多く含んだ状態では、強いブレーキングや長い下り坂などでフルードが沸騰しやすくなるんです。
そこで発生するのが「ベーパーロック現象」。フルード内に気泡が発生すると、レバーを握った力が正常に伝わりにくくなり、ブレーキの効きが大きく低下するおそれがあります。液体は圧縮されにくいのに対して、気体は圧縮されやすい。その違いが、ブレーキにとって大きな問題になるんですね。
さらに、水分の混入はマスターシリンダーやキャリパー内部の金属部品を腐食させる原因にもなります。つまり、ブレーキフルードの交換は、ブレーキの性能と内部部品を守るための予防整備というわけです。
では、どれくらいの頻度で交換すれば良いのでしょうか? メーカーでは、一般的な二輪車のブレーキフルードについて2年ごとの定期交換を案内しています。これは走行距離や液量だけでは判断できない、時間の経過による劣化を考慮したもの。たとえ年間の走行距離が少なくても、何年も使い続けて良いわけではないんです。
交換したのはいつ? 見た目よりも整備履歴が大切!
ブレーキフルードをいつ交換したのか、まずは整備履歴を確認してみましょう。フルードの色や液量、普段のブレーキの効き具合だけでは、劣化の程度を正確に判断できません。一般的な交換目安は2年ですが、車種ごとの指定が基本。特に中古車で交換履歴がわからない場合は、販売店や整備工場に相談するか、いっそのこと新品に交換するのも手でしょう。
交換する際は、車種に適合したフルードを使うことも大切です。現在のバイクではDOT4指定が多く見られますが、規格の数字だけで選ぶのは禁物。また、古い液を抜いて新しい液を入れるだけでなく、ブレーキ系統に空気が残らないようにする作業も必要です。作業を誤れば制動力に影響するため、不慣れな場合はプロに任せるのが確実ですね。
エンジンオイルは定期的に交換していても、ブレーキフルードは何年もそのまま……なんて人もいるのでは? 年末のメンテナンスを機に、愛車の整備記録を整理してみましょう!
【モトチャンプ編集部】
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