50cc版登場の翌年、原付二種クラスへ一気にスケールアップ

1997年に登場した50ccのストリートマジック/ストリートマジック2は、「速い、カンタン、カッコいい」を掲げた新しいカタチのスポーツスクーターだった。その翌年、「2」のキャラクターをそのまま原付二種クラスへ持ち込んだのが110だ。

外観には大型の丸型ヘッドライトとヘッドライトガード、アップタイプのハンドルバー、フロントブレーキ周りのディスクカバー、アップタイプのフロントフェンダーを採用。さらにブロックパターンのタイヤやオフロードタイプのフットレストまで組み合わせている。リヤにはキャリアも標準装備されているが、乗車定員は1名。タンデムよりも、ひとりで気軽に遊ぶことを優先したパッケージだった。

ツインチューブフレームに10psの2ストエンジン。足周りもかなり本気

113ccの空冷2ストローク単気筒エンジンは最高出力10ps/6500rpm、最大トルク1.2kgm/6000rpmを発揮。Vベルト無段変速なので、操作はスロットルをひねるだけ。スクーターの手軽さを残しながら、原付二種らしい余裕あるパワーを楽しめる構成だ。

そして車体側も手を抜いていない。ロードスポーツ車のような高剛性ツインチューブフレームに、倒立式フロントフォーク、フロントディスクブレーキ、アルミキャストホイールを採用。タイヤは前後とも120/80-12とかなり太く、乾燥重量は88kgとなっている。見た目だけオフロード風にしたモデルではなく、スポーツ走行を楽しむための足周りまできっちり与えられていた。

ただし、ブロックパターンタイヤやアップフェンダーを備えているからといって、本格的なオフロード車というわけではない。あくまで「RV発想」のスタイリング。オンロードで気軽にスポーツできるATモデルに、アウトドア感のある装備を盛り込んだところが、このモデルならではだ。

【SPECIFICATIONS】

年式:1998年モデル
総排気量:113cc
エンジン:空冷2ストローク単気筒
最高出力:10ps/6500rpm
最大トルク:1.2kgm/6000rpm
全長×全幅×全高:1715×715×990mm
ホイールベース:1150mm
重量:88kg(乾)
タイヤ:120/80-12 54J・120/80-12 54J
発売当時価格:26万1450円(税込)

2か月後には“ロード寄り”のストリートマジック110も追加

1998年8月には、兄弟車となるストリートマジック110も登場した。エンジンは同じ113cc・10ps、ツインチューブフレームや倒立フロントフォーク、12インチのアルミキャストホイールといった基本構成も共通するが、見た目と足元の味付けはかなり違う。

II 110が丸型ヘッドライト、アップフェンダー、前後120/80-12のブロックパターンタイヤでRVテイストを強調したのに対し、標準110は角型ヘッドライトとロードタイプのフロントフェンダーを採用。タイヤもフロント120/70-12、リヤ130/70-12となり、後輪をさらにワイド化している。前後フェンダーにはカーボンパターンプリントまで施され、よりオンロードスポーツらしい雰囲気に振られていた。

同じ1998年に追加されたストリートマジック110。角型ヘッドライトとロードタイプのフロントフェンダーを採用し、II 110とはひと目で違うスタイルに。フロント120/70-12、リヤ130/70-12のロード寄りタイヤを組み合わせていた。

同じ113cc・10ps、同じATなのに、片方はRVテイスト、もう片方はロードスポーツ寄り。しかも価格はどちらも24万9000円(税別)だった。「どっちにする?」で本気で迷わせにくるところまで含めて、ストリートマジックらしい遊び方だったのかもしれない。

※この記事は月刊モトチャンプ2025年12月号を基に加筆修正を行っています

【モトチャンプ編集部】