ディテール解説

ホンダ・VFR800X

フロントブレーキはモノブロック対向4ポットのラジアルマウントキャリパーに、Φ310mmのダブルディスクを採用。マスターシリンダー径は5/8インチ。ホイールはファインダイキャスト製法の中空構造で、VFR800Fと同じく前後17インチを採用。フロントフォークはVFR800X専用設計で、クッションストローク(145mm)は、VFR800Fより25mm延長されている。

ホンダ・VFR800X
ホンダ・VFR800X
ヘッドライト下のフロントスポイラーは、ホンダのクロスオーバー・コンセプトモデル共通の特徴。ヘッドライトとエクステンション(リフレクターの延長部)でX型となるようデザインされている。
ホンダ・VFR800X
ホンダ・VFR800X

ウインドスクリーンは手動で高さ調節(5段階)することが可能。工具は必要ないため、出先でも簡単に変更できる。

ホンダ・VFR800X

ライダー側にオフセットされたテーパー状のバーハンドルにより、アップライトなライディングポジションとなる。フルデジタルメーターの採用で、コクピットはスッキリと整頓されたデザイン。スクリーンはツアラーとしては小ぶりだが、高速道路でのウインドプロテクションは十分

ホンダ・VFR800X

センターにアナログ式の回転計を置くVFR800Fに対し、VFR800Xはフルデジタル表示のLCDメーターを採用。ギアポジションや燃費計、グリップヒーターの段階表示(5段階)なども備えられている。

ホンダ・VFR800X
ホンダ・VFR800X


シートは前後分割式で、ライダー側のシート高はスタンダード(835mm)とローポジション(815mm)が選べる。リヤシート下にはETC車載器や車載工具が収納できるスペースを確保。

ホンダ・VFR800X

アルミツインチューブ式のメインフレームに、アルミダイキャスト製のシートレールを組み合わせは、各部の剛性の最適化を図りながらスリムなボディワークを実現。スリムなV4エンジンの特徴を、より一層生かすことに成功している。またV4エンジンにはVFR800Fと同様にハイパーVテックを採用。低・中回転域は2バルブで、高回転域になると4バルブに切り替わる機構で、全域にわたりトルクフルな加速が楽しめる。

ホンダ・VFR800X

VFR800Fと同様、2017年モデルで内部構造を3室から2室に変更した異形5角形マフラーを採用。従来のV4モデルより迫力があり、歯切れの良い排気サウンドとなった。

ホンダ・VFR800X
ホンダ・VFR800X

リヤサスペンションはVFR800Fに対してアクスルトラベルを28mm延長し、ロードスポーツとしては幅広い148mmを確保。イニシャルはリモコンダイヤルにより調整可能。

サスペンションの専用設計にともなって、VFR800Fに比べて後輪ブレーキのペダルストロークを変更し、コントロール性をアップさせた。

ホンダ・VFR800X

スイングアームはVFR800Fと共通。VFRシリーズのアイデンティティともいえる片持ち式で、アーム部はスーパースポーツタイプと同形状のやぐら型にすることで、ねじれ剛性のバランスを最適化している。

ホンダ・VFR800X

コンパクトなLEDテールランプの採用で、リアビューを引き締め、軽快な雰囲気を強調している。スリムだがパッセンジャーの居住性や、スマートなハードケース積載方式などの機能性も熟慮されている。

ホンダ・VFR800X

ナビなどの電源が取りやすい左カウル上にアクセサリーソケット(12V3A)を装備。シート下などに電源を増設できるようオプションの純正アクセサリーソケットも継続して販売されている。

主要諸元

車名・型式:ホンダ・2BL-RC80
全長(mm):2,190
全幅(mm):870
全高(mm):1,385
軸距(mm):1,475
最低地上高(mm):165
シート高(mm):835/815
車両重量(kg):246
乗車定員(人):2
燃料消費率*1(km/L):
国土交通省届出値定地燃費値 (km/h)…27.4(60)〈2名乗車時〉
WMTCモード値(クラス)…19.2(クラス 3-2)〈1名乗車時〉
最小回転半径(m):2.8
エンジン型式:RC79E
エンジン種類:
水冷4ストロークDOHC4バルブV型4気筒
総排気量(㎤):781
内径×行程(mm):72.0×48.0
圧縮比: 11.8
最高出力(kW[PS]/rpm):79[107]/10,250
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm):77[7.9]/8,500
燃料供給装置形式:電子式〈電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)〉
始動方式:セルフ式
点火装置形式:フルトランジスタ式バッテリー点火
潤滑方式:圧送飛沫併用式
燃料タンク容量(L):20
クラッチ形式:湿式多板コイルスプリング式
変速機形式 常時噛合式6段リターン
変速比:
 1速…2.846
 2速…2.062
 3速…1.578
 4速…1.291
 5速…1.111
 6速…0.965
減速比(1次/2次):1.939/2.687
キャスター角(度):26° 30′
トレール量(mm):103
タイヤ:
 前…120/70ZR17M/C(58W)
 後…180/55ZR17M/C(73W)
ブレーキ形式:
 前…油圧式ダブルディスク
 後…油圧式ディスク
懸架方式:
 前…テレスコピック式
 後…スイングアーム式(プロリンク)
フレーム形式:ダイヤモンド(アルミツインチューブ)

■製造事業者/本田技研工業株式会社

ライダープロフィール

川越 憲

1967年生まれ。有限会社遊文社・代表取締役にしてバイク誌を中心に活動するフリーライター・編集。現在所有するバイクはBMW R1150GS・BUELL XB9SX・TZR250(1KT)・NSR250R(MC18)etc.。 趣味は草野球、バレーボール、映画鑑賞(16mm映写技師免許所持)。

Vストローム250ABS 1000kmガチ試乗1/3|たっぷり、じっくり走り込むと”売れてる理由”が見えてきた。

スペックや装備に特筆すべき要素はないものの、2017年のデビュー以来、コンスタントに好セールスを記録しているVストローム250。ライバル勢との比較を念頭に置きつつ、その理由をじっくり考えてみたい。 REPORT●中村友彦(NAKAMURA Tomohiko) PHOTO●富樫秀明(TOGASHI Hideaki)

https://motor-fan.jp/bikes/article/789/
「ベストレブルはこの”500″かもしれない」|レブル500・1000kmガチ試乗1/3

大人気の兄貴分や弟分とは異なり、日本市場ではいまひとつ人気が獲得できないレブル500。とはいえ、昔から中間排気量好きの僕は、自分にとってのベストレブルは500かもしれない……と、感じているのだった。 REPORT●中村友彦(NAKAMURA Tomohiko) PHOTO●富樫秀明(TOGASHI Hideaki)

https://motor-fan.jp/bikes/article/11327/